パクリなのかオマージュなのか、ハリソン・フォード主演で当時話題の映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』が下地である。


三浦友和の先輩刑事で第9話で初登場し、今回のファミリー劇場の放送では欠番となってしまった第13話にも登場している小林稔侍が捜査中に羽田空港のトイレで殺され、それを少年が目撃してしまうところから物語は始まる。


少年は母親の范文雀に連れられ、亡き父親の三回忌に札幌に旅立つ途中の出来事で、もしも『スーパーポリス』が継続されていたのなら北海道ロケでもして『刑事ジョン・ブック 目撃者』に出てきたアーミッシュの村のように外界と途絶した僻地の村に逃げ込んで、そこで物語が展開したのだろうか。


最終回のテーマは『Gメン'75』に先祖帰りしたかのように“刑事としての在り方”と重たい。先輩刑事の非業の死、三浦の熱意とは裏腹に少年の母親である范文雀が警察敬遠してて捜査に非協力的と、三浦は刑事に対して無情を感じ始める。そんな三浦にかとうは若手3人組とウガンダが三浦を慕って頑張っていると告げて励ます。が、結局は若手3人組とウガンダが最後の最後まで役立たずのまま終わってしまう。


「俺たちは何のために生きているんだろう。報いられるものは何もなかった。俺たちは誰かに認められるために生きてきたんだろうか?、いや違う!」


違わない。


“刑事としての在り方”に悩んでいた三浦の自問自答は、そのまま彼らの自問自答になってしまった。この『スーパーポリス』打ち切り終了後、JACの二人とウガンダには二度とプライムタイム帯のドラマにはお呼びが掛からず、山下規介は父親のジェームス三木のコネの効いた仕事しか廻ってこなかった。


物語は『刑事ジョン・ブック 目撃者』をなぞるように、警察署に捜査協力で呼ばれた少年が偶然目に留まった刑事の写真見て犯人だと指摘して動き出す。結局、その犯人と指摘された汚れた刑事は射殺されて口封じされたものの、警察署内にまだ真犯人がいることを確信する。三浦は警察署に偽情報の連絡入れて、よせばいいのに少年を餌にして前回失敗したのに囮捜査強行。しかし、今回は因果応報で三浦が犯人に撃たれて重傷を負う。それでも三浦は犯人を撃ち捕らえて事件は解決したが、クライマックスはその後。前回かとうが重傷負って三浦が輸血して救ったのを今回はかとうが三浦に輸血し返して救うという、変化球な愛情表現で、最終回まで付き合っている奇特な視聴者に感動を押しつけた・・・、いやもとい、与えた。


メインゲストに范文雀、真犯人に伊吹剛と『Gメン'75』のかつてのレギュラー刑事に、おなじみの中田譲治、そして殺された小林稔侍の上司役に西沢利明が出演している。西沢は『Gメン'82』でも同じような役柄で、その時もてっきり黒幕だと思わせておいて、それは視聴者を欺くトリックでじつは違っていて、今回もすっかりまた騙されてしまった。