今回は刑事ドラマの王道、潜入捜査モノ。


メインゲストは沖田浩之で、将来BIGになることを夢見るチンピラ役。拳銃密輸やっている暴力団組織なのだが、表向きは貿易会社を装う会社の下っ端社員だけに格好は至って普通。しかし、恋人が働くマージャン喫茶では店長が居るのにもかまわずにテーブルに腰掛けてビールをあびるなど、普段の振る舞いに粗野な面が出ており、ノーブルな感じとワルさを併せ持つ沖田が適役だったのとともに、今回こうした細かい演出は長けてると思った。


捜査上に浮かんだ沖田をツテに、三浦友和が悪徳警官にふんして拳銃密輸組織に潜入する。ただ、いつもの特撮ヒーローみたいな普段着ではなく、沖田との対比でいかにもなチンピラ・ファッションにすれば、わかりやすくてもっとよかったのに。毎回とにかく、メッシュの指あきグローブが気になって仕方がない。

現在、本名で活動する中本賢が、まだハンダース時代からのアパッチけん名義で出演している。拳銃密輸組織の一員で、悪徳警官・三浦に連れられて、機密捜査情報を盗みに警視庁の本庁舎に入っていく。庁舎全体を映すかんじに通りからの遠景シーンはどこの刑事ドラマでも撮られているが、この回はなんと庁舎の外とはいえ、通用口のところでのロケ。ゲリラ撮影っぽくはなかったから、ちゃんと許可申請したのだとしていたらすごい。


拳銃密輸組織のボス演じる中田博久は刑事ドラマにおける埠頭での取引場面を生涯何回やったのだろうか。そんなことに思いをはせながら物語はクライマックスに。


時給600円で働く、けなげな恋人との将来にも悩む沖田は、悪徳刑事・三浦にそこを付け込まれ、「取引場所と日時を教えろ。オレが協力してやるから、金も拳銃も頂いてズラかれ。そしてこれを最後に足洗ってカタギになれ」との言葉にそそのかされて協力するも、取引にスーパーポリスが乗り込んで拳銃密輸組織を壊滅した直後に非情にも逮捕されてしまう。


裏切りに吠える沖田、二人で約束したのに故郷行きのフェリーに乗りそびれて待ちぼうけに涙ぐむ恋人。物語はバッドエンドで閉められる。自分が好きな『誇りの報酬』あたりにあるような展開で良かったが、今回まったく破綻したところがない『スーパーポリス』は魅力的ではないな。