ゲストに『スーパーポリス』の前身『Gメン'75』の初期メンバーである原田大二郎を迎え、題材に当時話題だったロス疑惑ベースにした話持ってきた。同年、「特捜最前線」でもロス疑惑題材にした『スキャンダル・スクープ』や『人妻を愛した刑事』を作ったりしたが、そちらは自宅に多数押しかけるマスコミ攻勢題材にしていて、「スーパーポリス」のほうはかなり直接的である。


ロス疑惑はあまりに大騒ぎになってしまったため、この頃はもう何が何だか判らない様相になってしまっていて、当の三浦和義氏は文化人みたいな立場にいた。そして三浦氏にテレビドラマ出演を依頼した局があった。何を隠そう『スーパーポリス』放送していたTBS(笑)。この回放送の3日後にスタートする『サーティーン・ボーイ』にゲストで、それも刑事役オファーしたものの、その話題が局内外で波紋呼んで倫理的にどうか!?ということになり断念(しかし、三浦氏は翌年公開の映画『コミック雑誌なんかいらない』に出ている)。なお、『サーティーン・ボーイ』は当時二年前に起こった実際の少年事件をベースにしていて、当事者らに許可得ていなかったものだから少年やその家族から猛抗議受けた。TBSはのらりくらりとかわしていたけど、本放送後は再放送もされず結局お蔵入りとなってしまった。

さて、話を「スーパーポリス」に戻そう。今回は、かとうかずこが義憤に駆られ、三浦和義氏をモデルにした原田大二郎を監禁暴行。そして最後は事前に仕掛けたトリックを使って自白させることに成功!というあらすじ。しかし、あまり爽快さはない。いわゆるカタルシスがないのだ。終始、かとうかずこが大二郎をいじめているだけ。たとえば、フジテレビの火曜ワイドスペシャル「ザ・ガマン」の決勝戦の“断食・断水”で現場司会の三笑亭夢之助が参加者の大学生の前で水を美味しく飲むように、かとうかずこが長時間監禁で脱水症状起こしている大二郎の前で同じ事しているといった具合に。これは視聴者的には「大二郎、かわいそう・・・」と傾く。ならば、かとうのほうが大二郎の罠に堕ち、大二郎がかとうをいじめ抜くも最後の最後で油断してボロ出して自白導き出し、白日の下にさらす、といった展開の方が視聴者的には爽快だったと思う。ハングマンシリーズではお約束のパターンの一つだったし、同時期スタートでライバル視されていた刑事ドラマ『特命刑事ザ・コップ』はハングマンシリーズと同じ金曜夜9時、そしてプロデューサーが同じだったから、これを踏襲した展開で人気得ていた。


今回は密室劇がメインなので、それじゃあ物足りないと踏んだのか、サイドストーリーにアクションシーンを補強として入れた。保険金を元手にいまでは大会社の社長に納まった大二郎には屈強なボディガード・関根大学が付いていて、好色家の大二郎にかとうが猫なで声で「二人だけになりたい」とその任解かせたが、大二郎の危険察知したそのボディガードが助けに来たのをスーパーポリスの若手3人組が応戦する。そしたら、なぜか唐突に戦隊ものに出てくるような採石場で繰り広げられた。さすがに森永や卯木はハマっている。しかし、JACじゃないジェームス三木の息子は足手まといで、あわれにも崖から落ちる始末。蒸着だの焼結とかすれば助かったかもしれないが、一応は刑事ドラマなのでいくら荒唐無稽な「スーパーポリス」でもそこまではしなかった。