茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry

1986年のアメリカ映画。日本公開は1987年3月、翌月の新年度から中学二年生になるときで、思いっきり中二病患ってて「アニメとかSFなんかじゃなく、そろそろ大人の映画を観てみたい」と思っていたところに現れてきたのが本作品だった。


大人の映画?


ロバート・レッドフォードが出ていれば、大人の映画でしょ(笑)!


作品自体面白かったし、そんな思い出もあって、初めて観たときから愛してやまない映画の一つとなっている。


この作品の監督は、アイヴァン・ライトマンという方でコメディ畑専門で、あの大ヒット映画『ゴースト・バスターズ』(1984年公開)の次作品であった。


公開時の映画パンフの解説文に寄れば、シナリオ段階はシリアスなサスペンス・ストーリーだったのが、この監督がやるからにはコメディに仕立て直したらしい。それがロバート・レッドフォード演ずるトム・ローガン地方検事に反映されている。仕事はヤリ手なんだけど、私生活は妻と子供に出て行かれたバツイチで、不眠症で、おっちょこちょいで、美人に弱くて、そんでもって女心を判っているようで判っていないという、どうしようもなさ。でも、二枚目なんで、あばたもエクボ。すべてが魅力的。


う、うん!?


これは誰かに似ていないかな?、そう、まさに80年代後半の田村正和の演じる役柄とそっくり。


おっとっと、今回は洋画のお話ダ。この1987年に放送された、古谷一行とダブル主演の「男たちによろしく」とか語りたいところだけど、うーんまた今度。


この「夜霧のマンハッタン」は、原題は『LEGAL EAGLES』。意味は、ヤリ手の法律家。ロバート・レッドフォード演じるヤリ手の地方検事と、デブラ・ウィンガー演じるこれまたヤリ手の女弁護士が互いに、ときに戦い、ときに共同戦線を張る物語から来ていて、いわばNY版『赤かぶ検事奮戦記』みたいなもの。


原題通りの『リーガル・イーグルス』じゃ、どんな映画か判らないし、かといって『ニューヨーク検事奮戦記』じゃさまにならないから、こんな邦題が付けられたかと思うが、“マンハッタン”は舞台になっているから良いとして、なにゆえ“夜霧の”なんだろう?


前年、「夜霧のハウスマヌカン」というムード歌謡調のコミックソングが流行っていて、それに倣って付けられたというのがもっぱら。


さて、『ゴースト・バスターズ』と同じマンハッタンを舞台にしていて、ロケにはそこらへんのノウハウが活かされている。また、題材が絵画を巡る事件だけに、芸術の街のソーホーが登場していたり、1980年代当時のマンハッタンが味わえる映画としては格別だと思う。



夜霧のマンハッタン 【ベスト・ライブラリー 1500円:ロマンス映画特集】 [DVD]/ロバート・レッドフォード,デブラ・ウィンガー,ダリル・ハンナ

¥1,500
Amazon.co.jp