荻野目慶子演じる江戸川由利子は、テレビ局の社員という役柄。ただ、画面に映る女子アナではなく、あくまでも裏方の報道部員で、新入社員だけに部署内で一番の下っ端ということで、扱い的にはADなのだろうか。スタイリングにもそれが表現されていて、髪型はショートレイヤーで、服装は何パターンかあるものの、スカート姿やフォーマルウェアはなくて、いずれもカジュアルなパンツスタイルで統一されている。


行動的なスタイリングではあるけれど、ADのあのイメージから来る貧乏じみた汚さはない。テレビ局という一流会社に正社員で入れるくらいだから、おそらくコネ入社のお嬢様だろうし、花形の報道部に入れるくらいだから、おそらく一流大学出身の才女なんで、良い品を良いセンスで着こなしているのが受け取れる。なかでも、革のフライトジャケット姿は良い感じだ。襟にボアが付いているG-1という米海軍航空隊に採用されているもので、2サイズくらいオーバーサイズなのをゆったりと着ていて、それが一層マニッシュさを際だたせている。


私事ながら、このスタイリングに影響されたか、今シーズンの冬物としてボア付きのフライトジャケットを購入した。ただ、この作品の中で着られているG-1ではなく、B-6という裏地全体がボア加工されているもの。お気に入りの逸品なのだが、春の陽気さが本格的になってきて、そろそろ着る機会がなくなってしまうのが惜しいところである。