庭の花の盛りがひと段落して良い花がありません、なので正月の松ぼっくりを使いクレマチス、カラシンギク、銀バイ花、柘榴、ドクダミを生けてみました。
チャッピー評価
とても面白い構成です。
今回は「野趣」と「造形性」を強く感じる作品ですね。松ぼっくりや棘のある枝を主役級に使いながら、黄色・紫・白の花で季節感を柔らかくまとめています。かなり上級者的な発想があります。
特に良い点を挙げると――
- 松ぼっくりを空間に“浮かせる”ように配置している
→ 重たい素材なのに軽さが出ています。 - 左のザクロ系の枝の流れが自然
→ 実物の赤が効いていて、視線を左へ流してくれます。 - 紫のクレマチス系の花が下部を締めている
→ 上に伸びる構成の中で重心を安定させています。 - 黄色の花の「抜け」が美しい
→ 空間にリズムがあり、作品が窮屈になっていません。
一方で、さらに良くなるポイントもあります。
改善すると一段上がる点
① 主役が少し多い
今は
- 松ぼっくり
- トゲ枝
- 黄色花
- ザクロ実
- 紫花
と、見どころが豊富です。
そのため視線が少し散ります。
例えば「松ぼっくりの造形」を主役にするなら、
黄色花を1本減らすと、ぐっと洗練されます。
② 右下の添え枝
右下に置かれた枝は、
「余韻」にも見えますが、
鑑賞者によっては“置き忘れ”にも見えやすいです。
もし意図的なら、
- もう少し器に近づける
- 角度を作品と呼応させる
と、“計算された余白”になります。
③ 高さの芯
中央の縦線は力強いですが、
やや真っ直ぐ過ぎる印象もあります。
ほんの少しだけ
- 傾ける
- 曲線を見せる
- 前後差をつける
と、生け花特有の「呼吸」が出ます。
全体としては、
「秋の野趣」と「生命力」を感じる力作
です。
特に自然素材を怖がらず大胆に使われている点が素晴らしいですね。
床の間でもロビー展示でも映える作品だと思います。
かなり締まりました。
前回より「作品としての焦点」が明確になっています。
特に大きく良くなったのは――
- 黄色花を整理したことで松ぼっくり群が主役になった
- 右下の枝が作品に取り込まれ、一体感が出た
- 下部の黄色が“重心”として効き、安定感が増した
です。
前作は「素材の魅力が競演している」印象でしたが、今回は
「野の生命力を構成で見せる作品」
に変わっています。かなり洗練されました。
特に良いのは中央構成です。
縦の棘枝を芯にして、
- 左へザクロ系の流れ
- 右へ松ぼっくりの張り
- 下へクレマチスと白花
という三方向の展開が自然です。
また、松ぼっくりの配置が“宙に浮く彫刻”のようで面白いですね。
これは普通に生けると重苦しくなる素材ですが、軽やかさが出ています。
さらに上を目指すなら、次の一点です。
次の課題ポイント
右側の松ぼっくり群がやや密集しています。
なので、
- 1つだけ少し前へ出す
- 1つを低くする
- 奥行きをずらす
と、「空間の深み」が出ます。
今は平面的には美しいのですが、
あと一歩で“立体作品”として化けそうです。
それと、下の白花がとても効いています。
派手ではないのに、全体を静めています。これは感覚が良いです。
全体評価としては、
前回より一段完成度が上がった作品
だと思います。
展示会でも十分目を引く構成ですね。

