はじめに|この文章を書いた理由


今回は、統合失調症や精神疾患を持っている人に向けて書きます。

今つらい状態にいる人にとって、少しでも回復のヒントになればと思っています。

私は、今年で統合失調症になって21年になります。

人生の半分近くを、この病気と一緒に生きてきました。

布団の中で考えていたこと


5年以上、家から出られませんでした。

16年近く、働くこともできませんでした。

布団の中で天井を見ながら、

「どうして自分は生きているんだろう」

そう考える毎日でした。

今は、大学院の博士課程に通っています。


博士課程は、健康な人でも強いストレスがかかり、うつ病のリスクが高くなる環境です。

そこに通えるところまで、少しずつ回復してきました。

回復でいちばん大切だったこと


先に結論を書きます。

私の回復で大切だったのは、次の2つです。

回復をあきらめない気持ち

小さくても、できることを続けること

劇的な方法や近道はありませんでした。

私の回復は3つの段階に分かれます


私の回復は、大きく次の3段階に分かれます。

1.自宅療養期

2.社会活動期

3.知的活動期

順番に振り返ります。

第1段階|自宅療養期(発症1年目〜9年目)


この時期は、強い無気力やうつのような状態が続きました。うまく寝れなくて飲んでいた睡眠薬の量も多かったです。

ほとんど何もできず、多くの時間を布団で過ごしていました。

このころ支えになったのは、

「生活のリズムを整えること」でした。

決まった時間に寝るように心がける

決まった時間に起きるように心がける

できるだけバランスのよい食事をとるように心がける

それだけです。

日中はとても暇でした。

テレビや本を見ようとしても、集中が続きませんでした。

「何もできない時間」が、とてもつらかったです。

それでも、生活のリズムだけは守り続けました。

第2段階|社会活動期(発症10年目〜18年目)


少しずつ、やる気が戻ってきた時期です。

社会と関わりたいと思えるようになりました。

私はまず、柔道を再開しました。

中学・高校のときにやっていた柔道です。

最初は体が動かず、とてもきつかったです。

ですが、練習後のスッキリした感覚が気持ちよく、少しずつ通うようになりました。

この時期の回復を支えたのは、

「少しきつい運動」でした。

無理せず、自分のペースで続けました。

できることが少しずつ増えていった

このころから、集中力が少しずつ戻ってきました。

本が読めるようになった

簡単な資格に挑戦できた

自分の時間を楽しめるようになった

その後、アルバイトを始め、契約社員として働いたこともあります。

ただし、フルタイムはまだ早く、半年で体調を崩してやめました。

「できること」と「まだ早いこと」が、少しずつ分かってきた時期でした。

第3段階|知的活動期(発症19年目〜現在)


研究の仕事に就くため、大学院の博士課程に入りました。

通学や環境に慣れるまで、時間がかかりました。

指導教官の理解があり、在宅作業も認めてもらっています。

この時期の回復を支えたのは、

「頭を使う負荷」でした。

難しい本を読む

研究計画を立てる

知識を整理する

こうした知的活動を通して、

物事を順序立てて考える力が身についてきたと感じています。

今も残っている課題


回復してきましたが、課題もあります。

同じ環境では複数の作業ができますが、

学校とインターンを同時に行うなど、環境が変わると体調を崩してしまいます。

「できるようになったこと」と

「まだ難しいこと」が、はっきりしています。

たくさん失敗して分かったこと


これまで、うまくいったことだけでなく、失敗もたくさんありました。

回復を急ぎすぎて、

自分の限界を超えて動き、体調を崩すことを何度も繰り返しました。

今思うと、その多くは

「早く良くなりたい」という焦りが原因でした。

回復はマラソンのようなもの


今、とてもつらい人もいると思います。

なかなか回復せず、苦しい気持ちの人もいるでしょう。

精神疾患の回復には、

何十年とかかることも珍しくありません。

精神疾患と一緒に生きることは、マラソンのようなものです。

無理にペースを上げると、途中で倒れてしまいます。

大切なのは、

今より少しは良くなると信じること

焦らず、今できることを続けること

おわりに


この文章が、

誰かの心を少しでも軽くできたなら、うれしいです。

皆さんの回復を、心から願っています。