「頑張れジャック」
今回は、ルームを観ました。
内容は、誘拐犯に監禁されて7年、脱出に成功する話。
要約するとそういう話だけど、脱出すること自体がメインではなく、そのあとの話が重要。
誘拐当時、学生だった主人公は犯人との子供をみごもり、監禁部屋にはその子供を含め2人が軟禁状態。
そのため、子供は外の世界を知らず、唯一外界を知れる方法は部屋に1つの天窓だけだった。
つまり、子供にとって脱出後の世界は未知の世界になる。
ここが、味噌なんですね。
最初の1時間くらいが、監禁中の生活になるんだけど、
辛い顔を見せる母親に対し、子供は生まれてからずっとこの状況なので、特に不満はなさそう。
だから、鑑賞してて思うのは、子供にとって脱出することは幸せなのか?ということ。
実際、外の世界に出ると母親と遊ぶ機会が減り、徐々に子供は寂しさを募らせる。
ついには、「あの部屋に戻りたい」とまで言う始末。
前半は監禁状態なので狭い部屋かつ締め切った状態なのに対し、
後半はやけに広い家であらゆる部屋の扉が半開き状態という対照的な状況。
最後、監禁部屋に戻り「扉を閉じて」って言いつつも、「やっぱり開けたままでいい」と言って、
監禁部屋に別れを告げて終わるのが、子供が本当の意味で外の世界を受け入れたことに繋がり、
エモかった。
また、外の世界を受け入れていく過程の中で、
母親を通してしか意見を言えなかったのが、徐々に母親以外の人間とも話せるようになり、
最終的には同世代の人間と遊べるほどになるのが感動的。
他者と関わりを持てるようになって、初めて社会に溶け込んでいくわけなので、
実は監禁とは別に、子供の成長物語という普遍的なメッセージを内包している様に感じた。
要は、子供が主役の映画なので、
犯人の断罪やマスコミとの関係性はそこまで濃く描かれていない。
個人的には、その方が焦点が絞れて良い気がするので物凄く良い映画に出会えたなぁと思いました。
残り138本