【腹を割らせてください】
そうネアカの狼上司に言ったのは
一番腹を割れないタテマエばかりの大器晩成のたぬきな私だった
狼は本音で付き合う
だからこそ、素顔を化けるのはもうやめよう
本音を言えないたぬきの嫌われる勇気
今日は意を決して
包み隠さず、全てを素直に伝えた
そして、『仕事、辞めます』
そう告げた
ネアカの狼はもう知っていた
と、いうか、私たちの気持ちは繋がっていた
『定年まで楽しく働こう』
『みんな楽しく働こう』
『大切なお客さまの大切な保険』
そのベクトルは変わらないけど
息切れをしていた狼とたぬき
私たち、今まで頑張りすぎていた
創りたい夢に突っ走って
もがいていたけど
まだ叶わない現実を思い知らされ
夢への希望に心が折れそうに
また動けなくもなっていた
お互い一緒だった
ミルクティーとコーヒーをお互い片手に
狼がご褒美にと買ってきてくれたちょっと高いプリンを食べながら
『私たち、疲れたね〜〜』
『頑張ったよね〜〜』
『いつも環境は違えどおんなじ心境。重いもの抱えながら、そして、今はそこから少し離れたくなったり、お互いがいつも同じ方向で同じ速度で進んでるよね〜〜』
狼とたぬきのくされ縁
ふたり肩並べて
腹を割って話す
お互い普段絶対見せなかった本音を話す
嫌な自分も全て
そして決めた
ズルい人になる
全力疾走はちょっとやめよう
本音でこれから
やりたいように
ゆっくり楽しく仕事しよう
嫌われる覚悟は逆にお互いの腹落ちして全てをさらけ出せる楽な関係に変わった
なんかまた仕事が楽しみになった
ワクワク復活
狼の誘いから始めたこの仕事
お互い全てをアキラメルと楽になるのは
知っていたけど
更に踏み込むことで、またこんなにも
楽で、楽しいんだね
今日からまたスタート毎日がスタート
なんだか未来が煌めいている
『辞めます』撤回!!!
狼とたぬきの仕事のはなし
おしまい