厳しくも愛のある人
初夏のある日、とある女性が私を訪ねてきました。東京におけるリトミックの第一人者「奥山紫先生」でした。久しぶりの再会も、開口一番、奥山先生はこう仰いました。
「以前治療したはずの癌が転移していたようで…。今度こそは本当に厳しい戦いになりそうです。私にもしもの事があった場合も、教え子たちが安心して練習できるように、来年3月まで会場使用料を先に払わせてください。」
3年前、リトミック講師育成の研修会場探しに、奔走されていた奥山先生に、最初に手を差し伸べたことが出会いのキッカケでした。以来、今でも「リトミック研究センター」の講師育成会場として、園舎をお貸ししているのですが、初めて園舎をお貸しした際に、音のズレたピアノを無料で調律して返却してくださったことは今でも忘れません。
以来、奥山先生の人間性に惹かれ、今では職員育成の場として、奥山先生のリトミック教室とは提携をさせていただいております。
そんな憧れの人、奥山先生が今月1日亡くなりました。奥山先生は生徒はもちろんのこと、講師や保護者のことも、厳しく叱る方でした。しかし、その言葉の中にも、どことなく愛を感じる方でした。今日、執り行われたお通夜には約2時間待ちの行列ができていました。愛を感じていたのは私だけではなかったのだと思います。奥山先生、本当にありがとうございました。