それぞれのステージ
わずか5日間の沖縄でのビーチパトロールを終え、東京に帰ってきた(実労は3日間)。
死ぬほどパドルトレーニングをさせられて、間違いなく大胸筋と三角筋が進化を遂げた。正確に言えば、退化していたものが元に戻ったという表現が適切である。そして、何より人生史上屈指の日焼けを終え、体中がズルムケである。
さて、そんな自分であるが、今回の旅には大きな目的があった。それは、人生の師でもあり、ライバルでもある吉田竜平君の夢を聞き出すことである。ただ、夢を聞き出すだけではない、わずか5日間の間で、彼の夢に対して何かしらの貢献をしたいと考えていた。というのも、彼と出会って以来、世話になりっぱしの自分がいる。正直、自分なりにふがいなさを感じている部分もあった。そんな彼に何か恩返ししたかったのだ。
今回のパトロールはお盆真っただ中ということもあり、ビーチはガラガラであった(穴場スポットということもあるし、お盆には海に入らないという風習があるようである)。そのため、彼の夢を聴く時間は十分あった。実は、私は約3ヶ月前からコーチングを習いに塾に通っている。最近では職場の部下の目標設定などにそのスキルを活用しているため、職場での行き違いの問題が激減した。そのスキルを使い、彼の夢と今やるべきことを一緒に整理してみることにした。
すると、「ライフセービング全日本選手権」「第二子誕生」等、意外にも課題は山積みであった。自分や家族の将来に対して責任感の強い彼だからこそ、自身の人生に課題を多く見いだせているのだろうと逆に感心してしまった。しかし、その課題を一つ一つ整理していくと、結果的に最優先的課題が「引越し先の新居の壁を塗ること」という結論に至った。翌日、早速、飛行機の出発までの時間を利用して新居の壁塗りをしてみた。
人生初の左官業であったが、竜平君の夢につながっていると思うと、気合いが入りまくった。また、新居を訪れ、竜平君の家族に会う中で、彼が自分にはない「家族」という基準の中で生きていることにも改めて気付かされた。あまりに素敵な家族と新居に、自分の結婚に対するあこがれが少しだけ上がった。
そして、家での作業を終えると、竜平君は自分を彼の新しいビジネスのステージである嘉陽ビーチへと連れて行ってくれた。来年、竜平君はビーチアトラクション関係の仕事で起業をする。そこは、どこまでも透き通った海水に恵まれた素敵なビーチであった。わずか30分程度ではあるが、シュノーケリングをした。
旅も終りに近づいていたため、臭いことの一つも言いたくなり「お前の職場は世界一デカいな」なんて言ってみた。馬鹿にされるかと思ったが以外にも「そういえばそうだな・・・」なんていう素直な答えが返ってきたので、逆にビックリしてしまった。しかし、そんなことを言いながら海を眺めている竜平君が、めちゃめちゃ格好良いのだ。
しかし、それは竜平君だから格好良いのだ。自分は正直、自身が海で生きるべき人間だとは感じない。あくまで、自分は都会で経営者として生きるべき人間である。きっと、赤いエプロンをして、職場に立っている姿が板につけば、一番格好良いのだ。
「収まるべきところに収まる」という言葉は、あまり聞こえが良い言葉ではない。しかし、実は人間は自分が収まるべき場所(ステージ)を知っている人間こそが格好良いのだと思う。情報化が進み、これだけ人生の選択肢が広まる中で、自分が生きるべき道を見いだせている人間こそが格好良く見えるのである。だから、そんな彼の姿を見て、たとえ間違っていたとしても、今は自分の前に見える景色をただひたすらに走り抜けようと気持ちを新たにした。ライバルとは多くを語らずとも、背中で何かを伝えてくれる存在である。
※上の写真左が吉田竜平君、左は尾口秀明君
※下の写真は嘉陽ビーチ