点と線
先日、私は二子玉川にあるチョーク工場を見学に行った。企業名は日本理化学工業。会長である大山泰弘氏は、その人柄や経営哲学が注目されており、「日本一大切にしたい会社の会長」との呼び名も高い会長である。
会長の経営哲学は非常にシンプルで「4つの幸せ」に基づいている。
・人に愛されること
・人に褒められること
・人の役に立つこと
・人に必要とされること
そして、これら4つの幸せを同時に得られるのは「仕事」だけというのが会長の哲学である。これは会長が、以前、葬式の斎場にて出会った、禅宗のお坊さんから聞いた話なのだそうだ。
会社の食堂には、社員が書いた今年度の目標シートが貼られている。どれも一生懸命、気持ちをこめて書いた字だというのがわかる。クーラーもエコ基準の28度。工場内のラインに行けば、職員が真剣にラインと向き合っている。
いずれの方も立派な大人の社員だが、仕事をする姿に一生懸命さが感じられなかったり、日常生活が乱れていたり、他人に迷惑をかけるようなことがあれば、強制的に自宅に帰されるという。しかし、職員は仕事がしたくて自宅から電話をしてくる。普通の企業で考えれば信じられないことだが、この企業ではそれがあるのだ。
「仕事」でしか得られない幸せを彼ら一人一人が自覚していのである。
そんな熱い社員の集まる会社だ。上司の責任感もすさまじい。中には仕事を覚えるのが遅い職員もおり、単純な作業を一人前になるまで伝えるのに15年かかったという。それに付き合うのだから、上司の胆力も素晴らしいものがある。
西洋のビジネス文化の流入とともに、日本人が古来より持つ「仕事は最上の喜び」という、感覚が忘れられがちのように思う。仕事の尊さを再認識する工場見学であった。
ちなみに、彼らの70パーセントが知的障害者と知った時、あなたはどのように思われるだろうか(うち25パーセント以上が重度障害)?
※近年、行政は障害児保育の充実を目標に、重たい腰をいよいよ動かし始めました。「声掛けの仕方」「レベルに合わせた課題」等、障害児保育のノウハウについて莫大な量の情報が耳に入ってきます。おそらく、それらの情報をうまく吸収しきれている園は少ないのではないでしょうか?当園も、そういった意味では決して進んだ園ではありません。はっきりいって、専門医師の方と比較したら、素人同然だと思います。しかし、ある時、私は思いました。そんな素人が保育をするにあたって出来る、一番大切なことは何だろう?結果、私の中で、その子供の未来を考え、一生付き合うつもりで接することではないかと思ったのです。しかし、実際に彼らが大人になった姿を想像して接している保育者はどのくらいいるのでしょうか?きっと、彼らの未来を想像しようとしている保育者さえ、ほとんどいないのではないでしょうか?そこで、私は今回、実際にそういった方がどうやって生活をしているのかを見に行くことにしました。こんな時代だからこそ、幼児期という「点」ではなくその人の人生という「線」を通してのお付き合いをすることが大切なのではないでしょうか。