仕事の任せ方
最近、職場から帰ってきた母が、疲れたと繰り返す。
夕食をしながら母が、それを口に出すと、それを聞いた父は決まってこう言う。
「仕事の任せ方が悪い!」
現在も保育現場の前線に立つ母も今年で51歳。現在、通園している園児の祖母くらいの年齢にあたる。どうやら体力も限界に近付いているようである。しかし、真面目な母親は、基本的に仕事を自分ひとりでこなそうとする。人に任せられない性格なのである。
この母の真面目さは、美しいものでもあるのだが、一方で将来の不安要素でもある。母が本当に体力的限界を迎えた時、突然、全業務を引き受けることは、かなり困難な話である。また、仕事を任せないことは職員の能力伸び悩みにも繋がる。
そこで、私は母の業務内容を整理し、職員に任せられる仕事は少しずつ、私から職員たちに任せることにした。これで、母の経営者としての視点も広がるし、園職員全体のレベルアップにもつながる。
そこで、私は自身の仕事の任せ方に対するスタンスは以下にまとめてみた。
まず、はじめに何より率先垂範である。いわゆる「見本」になることである。これは今の母親が十二分に実践している。やはり口だけでは人は動かない。
次に「信頼(職員を信じ切る覚悟)」である。経営者が職員を信じる以上に職員は経営者を信頼してくれない。従って、私には相手をどこまでも受け入れる寛容さが求められる。ここが一番のキーポイントになるのではないか。
そして、最後に「支援」である。この支援というのは職員に楽をさせるというわけではない。最初に仕事を任せる際に、少しだけ手を貸し、仕事が出来た時点で、相手の手柄にするというものである。人間は一度出来たことは、二回目以降は容易にできるという。やはり、自信をつけさせる支援をすることは大切である。
以上が私の考える仕事の任せ方である。当然、これは初めての試みである以上、最初から全てが上手くいくとは思わない。しかし、人間が時間に拘束されながら生きている限り、仕事を任せるスキルというものは経営者にとって不可欠な技術である。失敗を繰り返しながら、他にも新しいスキルを身につけていくことになると思うが、まずは母親に楽をさせたいというのが息子である私の本音である。
新しいことに挑戦すると思うと、何故か少しずつワクワクしてきた・・・