志村けんが亡くなった。多くの日本人は、この人気コメディアンの死にショックを受けているようだ。ましてや、お笑い好きの人にとっては・・・。私は、有名人が亡くなる度に、何となくではあるが、「たけしが死んだら相当なショックだろうな」と思ってきた。年齢的に考えても、そう思っていた。まさかの志村だ。視聴者に心の準備をさせる間もなく旅立っていったコメディアン。彼の死を受け止められない人が多いのではないか。

 

つい先週のことだった。「あいつ、今、何してる?」というテレビ朝日の番組に志村けんが出演していた。テロップで、「これは、〇月〇日に収録されたものです」と流れて、画面に向かって、「まだ死んでないやん!」と思わずツッコんだばかりだ。その番組で、志村けんは、若い頃に付き合っていて、結婚まで考えた元アイドル大滝裕子との思い出を話していた。久しぶりにテレビに登場した大滝裕子は、きれいに年齢を重ねていた。結婚秒読みだったのに、別れた二人。志村けんはその理由を覚えていないと語ったが、大滝裕子の方は、「君の事も好きだけど、他に別の人も好きになった」と告白されて別れたのだと理由を述べた。志村けんは、「今、彼女が幸せならいいけど~」と言っていたら、大滝裕子が、「結婚して、今、本当に幸せです」と述べていた。その時の志村けんの表情は何とも言えない表情だったのを覚えている。元カノが幸せで本当に安心した安堵の気持ちと、それからちょっぴりだけ「あの時、結婚していたら」という気持ちも画面を通して若干感じたのである。

 

テレビの前の私は、「若い女にうつつを抜かさずに、彼女と結婚してたら良かったのに」と少しだけ寂しそうな表情に見えた志村けんに対して、そんな事を思った。ただ彼の人生を思う時、「お笑いに命を懸けた」と言っても過言ではない芸人人生を全うした事に対して心から敬意を表したいのである。仮に彼が結婚して、子供が生まれていたとしても、だから幸せ、そうでないから不幸せとステレオタイプの物差しで考えてはならないように思う。(どうせ子供がいたって、ロクな2世にならないからね。それに今は結婚=幸せという価値観ではないしね) もっと穿った見方をすれば、大滝裕子に「別に好きな人が出来た」と言ったのは、本当は、好きな人=お笑いだったのでは・・・と思ってしまうのである。お笑いを追求するあまり、あえて結婚に踏み切れなかったのかもと思ってしまうのである。いや、ただの女好きだっただけかもしれないが。今思えば、絶妙のタイミングでの番組出演だったな。

 

カラオケボックスが流行り始めた頃、カラオケボックス経営に手を出し、建築が終わったばかりのカラオケボックスのドアより、肝心のカラオケ機材の方が大きすぎて、機材が入らなかったという大失敗話で有名な、(前フリ長くてすみません)荒井注が大好きだったので、ドリフにちょろちょろと登場するようになった志村けんを最初は毛嫌いしていた。しかし、正式なドリフのメンバーになると、ドリフの面白さの幅が一気に広がり、志村けんのとりこになったのだ。

 

悔やまれるのは、初主演映画が撮れなかったことだ。見て観たかったな、志村けんの演技。「あいつ、今、何してる?」で見せた、何とも哀愁のある表情が鮮明に記憶に残っているだけに、映画に主演していたら、とんでもなく素晴らしい演技であっただろうことは容易に想像できるのである。今まで、たくさんのお笑いをありがとう。残されたものとして、これからも「アイーン」をやり続けていきます。合掌。