お正月TBSドラマ「都庁爆破」を観た。面白かったなぁ・・・色んな意味で。一番笑ったのは、番組開始早々、ドランクドラゴンの鈴木拓が、人質のサラリーマン役で登場していたのだが、「大事な商談だけさせてくれ」と犯人に直談判したら、あっさりチャカで殺されたところだ。鈴木拓の演技、もうちょっと見たかった気もする。
ダブル主演の吉川晃司と長谷川博己。長谷川と爆破シーンが、一昨年公開の映画「シンゴジラ」とシンクロした。それからモニカでお馴染みの吉川晃司が渋いロマンスグレーとなって熱演・・・と言いたい所だが、黒い上下に黒いロングコート、ロマンスグレー、いつの間にか二重まぶたになったキリッとした目元など見た目も、そしてCIAの一員だという設定もトータルでなんかマンガチックに浮きまくっていた。そして、すっげー強いんだ、吉川が。1人で何人もやっつけちゃうし、組織のテロリスト相手にもう無敵だ。長谷川も一緒にテロリストに立ち向かうのだが、銃で撃ちあうシーン、そして、犯人から馬乗りにされ、あわや最後・・・と思いきや、ナイフでの応酬で長谷川が勝つというご都合主義。いやいや、今まで銃で撃ちあってきたのに、そこは銃を使わねえのかよっ!って視聴者はツッコミを入れたであろう。
テロリスト役が渡部篤郎だったのだが、渡部の助手サラだけが外国人風の出で立ちだったが、それ以外はテロ集団全員が日本人だったのに、いちいち英語で話す胡散臭さ。渡部篤郎と吉川晃司の直接対決・・・緊迫した一瞬だ。渡部が英語で話しかける。そして英語で吉川が返答する。なんだ、この茶番。日本人同士なんだから、日本語でいいだろ!二言、三言英語で話をしたら、あとは日本語での会話。だから、最初からカッコつけないで、日本語で話せよ。
吉川晃司がテロリスト渡部の手前、長谷川博己を殺すことに。躊躇なく銃で長谷川を撃った。しかし、それは、胸の内ポケットに携帯を入れていることを知った吉川が、そこを狙って撃ち、結果的に長谷川を助ける一撃となったのだった。色んなマンガでよくあるご都合主義の最たるシーンだ。
ラストのシーンで、吉川の機転よって死を免れた長谷川がテロリスト渡部を撃ち、渡部はあっけなく銃に倒れるのだが、これがなかなか死なないのだ。そんなテロリストに向かって家族愛の重要性を訴える長谷川。えっ、そんな場面で家族愛??さらには、銃弾に倒れた割には、めちゃくちゃ余裕ある表情で死なないテロリスト渡部。最後に仕掛けておいた爆弾のボタンを押した。あーあ、だから早く殺しておけば良かったのに・・・。すかさず時限爆弾を解析する、元自衛隊の爆弾処理係という役どころの長谷川が、パソコンに向かって一心不乱にキーボードを叩く。するとPASSCORD(パスコード)の文字が。テロリスト渡部の生年月日、娘の生年月日を入力するもアウト。チャンスはあと一回。するとCIAの吉川晃司が、渡部の弟が亡くなった日を入力してみろと指示。疑いつつも入力する長谷川。そして、三度目にあっさりパスコードクリアして、ハッピーエンド。「弟の亡くなった日を忘れていなかったんだな」とテロリストの家族愛を視聴者にも知らしめたところで、ジョンレノンのHAPPY XMAS WAR IS OVERが流れてエンドロール。延々とクリスマスソングが1月2日の夜に流れる・・・放送日間違えたのかなと視聴者の胸をざわつかせる。
このドラマの中でマンガチックな出で立ちで浮いていた吉川晃司、いちいち英語で話して、カッコつけてたけど逆にカッコ悪かった渡部篤郎、そんな特殊な二人に振り回された普通の人代表の長谷川博己。演出上の問題で、三人の俳優には罪はないが、ツッコミどころ満載の新春お笑いエンターテイメントとして楽しく視聴した。原作は面白いのだろうか?もし原作が秀逸だったら、作者は、このドラマに怒り狂っただろうな。大池という名の東京都知事役として寺島しのぶが出演していた。なんとなく小池都知事に寄せていた。そして、その大池都知事が、人命最優先の路線を取る事に奮闘していた。TBSは、小池都知事に擦り寄っているのではないかという疑念を抱いた。
ドラマのTBSが新春特別ドラマと銘打って放送した「都庁爆破」。期待していた感じと全然違うけど、面白かった。ひょっとしたら、こんな感想を期待して制作したのだろうか。「逃げ恥」などのヒットで調子ぶっこいて、「正月にクリスマスって・・・って視聴者は思うぞ!」って感じで現場が盛り上がっていたのなら、本当に危険だ。TBSが調子に乗ると、ろくな事にはならないからだ。オウム真理教で坂本弁護士を犠牲にしたTBSの過去を私は忘れない。
それにしても吉川晃司、陣内孝則の二人。ロックを愛し、そして年齢を重ねると、シルバーの髪をしたこんな同じような仕上がりになる事を視聴者に教えてくれた。ありがたくもない教えだけど。