先週のアメトーークは、「高校ダブり芸人」だった。当然ながら、出演者は人気芸人だろうが、そうでなかろうが高校をダブっていないと出演出来ない。髭男爵ひぐち君、さらば青春の光森田、三四郎小宮、バイきんぐ小峠、デニス植野、ラフコン森木の6名という何とも微妙な面々。私は、ラフコン森木という芸人を初めて知った。その森木と上野は、高校を2回ダブって、高校の同じ学年を3回したと言う。さすが高校をダブっただけの事はあって、ひぐち君、小峠、植野 を仮性ポンコツとするならば、あとの3人は、真性ポンコツだった。だから、出てくるエピソードの内容が全てアホすぎて面白く、そして語る人間があまりにもアホで話が通じず、しょっちゅうゲストとして呼ばれた博多大吉に助け船を出されていた。
①留年が決まった日
一家でカレーを食べていたら、担任からの電話で留年が決まったと連絡があり、それからカレーの味がしなかったという樋口。高校へ皆勤だったにも関わらず、ダブった森田は、担任から「よくも俺の教師生活に泥を塗ってくれたな」と言われた。留年が決まった日、たまたま校舎の屋上でグラウンドを眺めていたら、「早まるな」と体育教師からビンタされた小宮。また小宮は、ダブりそうだなという時期に、先生たちの車が止めてある駐車場をウロウロしたと言う。なぜなら、車にひかれれば同情して進級が認定されるかもと思ったそうだ。小峠は、芸人になるために、高校を休学して大阪へ向かった。それにあたって、あこがれのミュージシャンのマネをして首にチェーンを巻き南京錠でロックして、その鍵を親友に送った。一人前になったら、オマエが鍵を開けてくれという手紙を添えて。すると、チェーンを巻いた翌日、金属アレルギーが発生して、皮膚科へ駈け込んだら、医師が一言、「小峠さん、もう分かっていると思うけど、鍵を開けて下さい」と言われたエピソード。ラフコン森木は、担任が泣きながらオマエを救えなかったと言われ留年を知った。3回目の1年をやる気マンマンだったが、規定で同じ学年は2回しか出来なかったため、担任から別の高校の夜間部を進められた。森木は、全日制に行きたいと訴えたが、担任から「お前に昼は無理だ」と言われたエピソード。
ダブり芸人から出てくるエピソードは、皆、普通に生きてきた人間にとっては、笑えるものだった。今回のアメトーークは、前回の有吉とザキヤマの悪ふざけによる地獄回を補って余りある素晴らしい回だったと思う。なぜなら、笑いの役割とは、いかなる困難な状況でも笑いに変換させることで、苦しんでいる当人を救うことが出来るという点だと思うからだ。今回は、芸人たちが、公共の電波で苦しかった事を笑いに変換したことで、悩みを抱えたテレビの前の若者が救われた気持ちになったかもしれない。樋口君も番組の最後に、「自分が留年した時のこんな番組があったら良かったかも」と心境を吐露していた。
三四郎小宮のポンコツぶりは、その滑舌の悪さも伴い、少し母性本能をくすぐるものだ。デニス植野は、喋りが達者なので、もっと重宝されても良い人材だと思うのだが、あまりブレイクしていない。あの濃い顔だちが、視聴者にとって、すぐにお腹一杯になるからか。安定の小峠の話芸。ラフコン森木という芸人は、あまりにもバカ過ぎて、お笑いとしては失格だろう。ツッコむ人間が居て、いじられたり、笑われる分にはまだまだテレビで見てみたい気もするが、お笑い芸人として自立するにはアホ過ぎる。何をするにも、学力は無くとも、考える力は必要なのだと今回のアメトーークを見て再確認した。それをどう生徒たちの中に育んでいくのか・・・それが私たち教師の仕事だ。