月曜から夜ふかしスペシャルを見た。
いやはや面白い素人の宝庫であった。そして、それを発掘したスタッフの努力にただただ頭が下がるばかりである。地方の訛りや名産、あるいは、自称発明王など、取材対象も様々な番組。おそらくは、自分たちで探すネタもあれば、先方から連絡が寄せられるパターンも多いであろう。しかしながら、現地へ取材に飛び、いきなり、おもしろ素人に偶然出くわすことは稀である。という事は、莫大な取材をこなした上で、厳選して編集しているはずだ。
個人的に笑ったのは、以前も特集があった金沢大学の北溟寮内にあるU字型の風呂のヘリを端から端まで全裸で滑るという「北溟サーキット」なるものだった。近く、50数年続いた寮の歴史に幕が降ろされると言う。まだ北溟サーキットで完璧に滑りこなした経験の無い現役生が、レジェンド卒業生に特訓を受け、湯けむりの中、何十回も練習を重ねた上で、ようやく成功にたどり着き、現役生とOBが抱き合って喜び、ちょっとした感動物語であった。しかし、VTRをよく見ると、滑り込みの途中、右足を床につき、しかもその足で床を蹴り上げスピードを出しU字型の最後へ到達したのだった。普通のテレビ番組なら、あえてそこを触れずに感動で終わるはずなのだが、下世話なMCのマツコ・デラックスと関ジャニの村上のコンビは、目ざとく、そのズルを見つけ、本人に電話して「あの終わり方でいいのか」と問うた時に、大学生が「あれで大成功です」と言ったことだった。
後半では、株主優待券で生活をするゴミ屋敷の住人桐谷さんに密着特集だった。桐谷さんという素人を見つけたこの番組は凄いと思う。しかし、彼の密着を見れば見るほど、本当にピュアな人で、こんな公共の電波でさらし者にして笑ってはいけないような気になってきた。ただ、桐谷さんは、この番組により人気者になり、株主優待に関する講演の仕事もかなりの数こなしているようなので、WINWINの関係が見事に成立している。本来は孤独の中にいるであろう彼が、この番組を通して、部屋を片付けてもらい、スタッフやファンとの交流を持つことが出来た。しかし、本来はテレビに出して笑ってはいけないようなたぐいの人である。彼のVTRを見ると、最後に少し胸が痛み、切ない気持ちになるのは、そのためなのだろうか。どうしても心の底から大笑い出来ないのだ。彼の純粋さを笑ってはいけないような気がするのだ。
イッテQも同様だが、莫大な取材量から、厳選した面白さを提供する日テレ。たくさんの小さなネタを思い切って捨てる潔さ。これこそ、日テレ絶好調、王者の秘訣でもあり、風格でもある。絶不調のフジテレビも是非見習うべきだ。日曜日に放送された古舘伊知郎が司会を務めた番組で、東京都知事の小池百合子氏と市川海老蔵の対談があった。古舘節の予定調和に全然従わない小池氏と海老蔵。古舘の言葉が白々しく空回りして、視聴者であるこちらが、何だか痛々しい気分を味わった。3人のギャラだけでもかなりのものであっただろう。お金をかけて面白くない番組を制作するフジテレビより、パンチの効いた素人に大金を払うことなく、製作費に大金をつぎ込む日テレ。番組を観る前から勝負は決まっている。それにしても、日テレのVTRの編集とナレーションは本当に上手い!視聴者は、プロの仕事に感嘆するのだ。