数年前に「クイズ・タレント名鑑」として誕生した番組。ゲス目線での番組作りに徹底していた。
それが「クイズ・スター名鑑」と名前を変えてリニューアルした。広島東洋カープの堂林選手と結婚して、育休を取っていた舛田絵理奈アナが満を持して復帰する番組に選んだのが、このゲス番組。私は、一気に舛田アナのことが好きになった。
 
昨今のバラエティ番組は、やれ林修先生の〇〇講座だとか、やれ池上彰の〇〇解説など、ためになる番組がもてはやされている。このスター名鑑は、それらとは対極を成す。そう、誰がどう見ても知っていて得すること、為になることは一切ない、正真正銘のクズ番組なのだ。しかしバラエティ番組とは、本来、そういうものだと思う。仕事で疲れた頭に、教養など詰め込みたくない。何も考えずに、気楽にくだらないことを見て笑いたい・・・そんなクズ人間を満足させてくれる番組だ。
 
今回の2時間スペシャルは、面白い企画がなかったのだが、一つだけ大笑いした企画があった。それは、意外な人が意外な事にチャレンジするオファーを快諾か拒否かというクイズだった。たとえば、アパホテルの女社長が、オードリー春日のギャグ「アパー」をするというオファーを受諾するか否かといった具合である。
大笑いしたのは、「やる気!元気!井脇!」の女性政治家、井脇ノブ子先生が、福沢諭吉像になった時だった。公園で、井脇先生が福沢諭吉の銅像になったのだが、子供たちに取り囲まれてえらいことになっていた。その時、井脇先生は、笑顔で対応しており、さすが元教育者だと思った。しかし、VTRが終わると、舛田アナが、「スタッフの話だと、子供が井脇先生に水鉄砲で水をかけた時、井脇先生はスタッフに信じられないくらいキレたそうです」とコメント。そう!この番組の胆は、VTRそのものより、そのVTRに対して、ゲス目線のスタッフのコメント、出演者の有吉やおぎやはぎ、フジモンといった面々が下世話な事を言うところにある。
さらに、1982年、「3年目の浮気」が大ヒットしたヒロシ&キーボーのヒロシが、自虐ネタ「ヒロシです・・・」の芸人ヒロシのマネをした時も大笑いした。それは、昨年、デュエットの相棒であるキーボー(女性)が化粧品を万引きして捕まったことをネタにしたからだ。「ヒロシです。キーボーが万引きで捕まったとです」「ヒロシです。盗ったのはアイカラー1600円相当だったとです」「ヒロシです。デビュー36年目の万引きは大目に見てくれんかったとです」といった具合だ。作家が考えたとは言え、そのネタは至極の一品であった。
 
今日の日本社会は、何かしら存在に有意義なものを求めがちだ。そして、無意味なものに対して手厳しい。しかし、人生にも、世の中にも、やはり無駄で、くだらないものの存在も必要だ。そして、それを許容できる寛容な社会こそが健全だと思う。と、高尚な感じの物の言い方をしたが、私は、ただ単に、この番組が大好きなだけである。理由は一つ、私自身が、ゲス番組を見て笑えるクズ人間だからである。