金メダル遺伝子を探せ!
※みなさん、大変です。今日の記事も、ちょっと長いです。
お許しくだされ。
「金メダル遺伝子を探せ!」という本を読みました。
NHKで放送された同名タイトルの番組の取材記録をまとめたもの。
(私は、番組の放送を見逃がしていたので、本で出してくれていて、助かった)
非常に興味深く、面白く、読みやすい内容だったので、一気に読めました。
勢いで、2回繰り返して読んだほど。
内容は、トップアスリートの秘密を、遺伝子の側面から探ろうというもの。
ジャマイカのスプリンターの遺伝子解析について、「ACTN3」という遺伝子が紹介されていました。
(私の理解の範囲で、かなり省略しながら、おおまかに説明させてもらうと)
瞬発的な力を出す時に動員される、速筋繊維を強化する「αアクチニン3」というタンパク質があって、そのαアクチニン3を作り出せるかどうかというのは、DNAの塩基配列によって、決まってくる。
そして、αアクチニン3を作り出せるかどうかの、(特定の)塩基配列を設計しているのが、ACTN3(11番目の染色体上に存在)という遺伝子であるのだそうです。
そのACTN3には、3つのタイプがあり、
両親から共に、αアクチニン3を作るタイプの遺伝子を受け継いだ人は、
「CC型」
片方から受け継いだ人は、
「CT型」
どちらからも受け継いでいない人は、
「TT型」と呼ばれていて、
ある遺伝子調査の結果、ジャマイカのトップスプリンターの
75%が「CC型」、
22%が「CT型」、3%が「TT型」だったとのこと。
つまり、ACTN遺伝子が「CC型」か「CT型」の人は、短距離選手としての資質があるということになるそうです。
※「TT型」は、瞬発系には向いていないけれども、持久力系の競技には向いているとのこと。
この本の中では、他にも、運動能力に関する遺伝子の種類が紹介されています。
また、
一般の人々や、子供の資質を見極めたいとする親を対象とした遺伝子検査ビジネスについて、
選手がある競技で成功するためには、遺伝子の特性が全てではないこと(環境面や、本人の意志や努力によるところも大きい)、
遺伝子情報を扱う際のルール作りや問題点、
遺伝子情報を有効に扱ったケース、
などについても、書かれていました。
↓ここからは、私の考え。
・アスリートにとっては、自分の遺伝子の特徴を、「知りたくない。知らなくてもいい」と考える人と、「知っておきたい」と考える人、「知るのが怖い部分もあるけど、知ってみたい部分もある」と考える人に別れるかもしれません。
・「知るのが怖い部分もあるけど、知ってみたい部分もある」という人が、ほとんどか。
・私は、(たいした選手ではありませんでしたが)「アスリート」という括りの端っこにぶらさがっていた人間なので、そのへんのところが、ちょっとは、わかります。
・私自身は、「現役時代の自分が、こういう遺伝子検査をする機会にめぐり合っていたとしたら、調査をお願いしていたかもしれない」と考えています。
・なぜなら、私には基本的に、「人間は皆、平等ではない」という考えがあるからです。
・例えば、勝負の場、リングの上に2人の男が立ったとしたら、それは、
100%、公平で平等なルール、システムを基に、戦うべきです。
・そこだけは、平等であるべき。
(「何を青臭いことを」「興行が絡んでいるんだ。現実を見ろ」「政治的なしがらみや思惑からは、抜けられないのだよ」
と、したり顔で言ってくる人間が必ず、いるのはわかっているし、実際に、そうだということはわかっている。
でも、これは、競技者の誰もが望んでいることだし、言い続けなければならないことだ。どんなに青臭くても、俺は、言うぞ)
・ただ、それ以外の部分、乱暴な言い方ですが、人が持っている才能や資質、環境に関しては、平等でなくて、当然だと思っています。
・というより、平等であってほしくない、とすら思っている。
・人は皆、平等でないからこそ、面白いのだ。
・自分がもし、現在、行っている競技には向いていない遺伝子のタイプだったとしたら、ショックかもしれないけれども、それで、勝負が決まるわけではないし、有利な遺伝子を持つ人間達に勝つため、どういった工夫と努力をしていくのか、というのが、競技を続けていく上での、醍醐味のひとつになる。
・また、自分の遺伝子のタイプを知ることができたら、トレーニングのメニューが組みやすい。方向性が決まる。
ボクシングのような、総合的、複合的な能力が問われる競技ならば、尚更かもしれない。
・私のおおまかな予想として、遺伝子の特性が、人の最終的な能力に影響する割合は、30%くらいのような気がするし。(本当に、なんとなくの予想だが)
・だから、「自分がどういう人間であるのか、知りたい」という気持ちと共に、(もし、調査する機会があったら)自身の遺伝子を調べていた、と思うのです。
・それに、私は、ジャマイカのスプリンターを対象にした、ACTN3の遺伝子調査で、3%の選手が、「TT型」だったということにも、注目しています。
・きっと、壮絶な努力をしたのだろうけど、どういった過程で、トップスプリンターに成り得たのか、そこのところを、知りたいです。
ジャマイカンTT型スプリンターは、きっと、貴重な存在だ。
・以上のことが、私の遺伝子に関する、拙い考え方です。
・って、こんなこと言っておいて、俺のような人間は、引退した今でも、いざ、遺伝子調査をするとなったら、ビビるんだろうなあ。
