正当に殴る
今日、あるラグビーコラム集を読んでいたのですが、全英&アイルランド代表、「ライオンズ」が南アフリカを遠征した時(1974年)の話が、印象に残りました。
当時のライオンズは、試合中、チーム内で、「99コール」というコールが出されると、ひとり残らず、自分の近くにいる南アフリカの選手に殴りかかったのだそうです。
「99コール」は、チームのメンバーが悪質なラフプレーに遭った時、出されるのだと。
当時のキャプテンが、語っていた理由がカッコ良すぎます。
以下、失礼して、引用の引用。
「ライオンズの遠征では、大切なテストマッチが近づくと、対戦相手の地区代表が我々の中心選手を怪我させようと狙い打ちにしてくる。そこで連中に思い知らせる必要があった。我々にちょっかいを出せば、必ず、制裁されるということを」
私は、正式な格闘技以外の場で、人が人を殴る行為、つまり、暴力は嫌いでありますが(格闘技とは、180度違うものであるからだ)、このライオンズの選手たちの行為は、暴力ではないと思います。(キッパリ)
大観衆の前で、大の男達が、大義を抱いて、素手で人を殴る。
こちらの想像ですが、ライオンズの選手たちはきっと、2、3人でひとりの人間を袋叩きにしたりなどは、絶対にしていなかったのでしょう。
計30人の男がいるグラウンドの中で、必ず、1対1の殴り合い。
15組のシングルマッチが同時に行われていたはず。
(これが、現代のラグビーであったら、厳重な処罰の対象になるでしょうが、時代が時代でありますから)
想像するだけで、気持ちが良い。
また、当時のメンバーのひとりが後に語った話も素晴らしいです。
以下、またしても、失礼して、引用の引用。
「昨年(2005年)、ロンドンからカーディフへ向かう列車の中で、突然、男が声をかけてきました。私のことを覚えていますか・・・と。私は思い出せませんでした。すると彼は「1974年に南アフリカであなたと戦った者だ」と言ったんです。その場では愉快な会話を楽しみました。家へ帰り、当時の試合プログラムを見返したら、それは、なんと私が殴った男だったのです。彼は会話のさなかには、そのことについて一言も触れませんでした」
うーむ、カッコいい。カッコよすぎる。
本物の男たちが、正当に殴り合う話と、その数年後の出来事。
こういう話を読むと、こんな自分でも、心が大きくなります。
いやー、本当にカッコいいぜ。