アルツハイマー病患者の脳には、老人斑と呼ばれるタンパク質の沈着が
認められ、アミロイドβペプチド(Aβ)と呼ばれるペプチドが主成分であ
ることが知られています。
Aβの凝集体には神経毒性があることがわかっていて、この凝集体がア
ルツハイマー病が発症・進行に関与すると考えられていて、アルツハイ
マー病の治療方法のひとつとして、Aβを除去する方法が研究されてい
ます。
アミロイドペプチドを酸化することで凝集性と神経毒性を抑える
~アルツハイマー病の新たな治療戦略につながると期待~
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20131205-2/
【アルツハイマー病の発症には、Aβの凝集体による神経毒性が関与し
ていると考えられています。そのため、Aβを標的とした治療法の開発が
盛んに進められてきました。しかし、アルツハイマー病はいまだ根治に至
っておらず、病気の克服には新しい治療法の開発が望まれています。
本研究グループは、Aβそのものを変化させることで神経毒性が抑えら
れるのではないかと考え、光に反応するビタミンB2とペプチドを結合さ
せた新たな光触媒を開発しました。この光触媒によってAβを選択的に
酸化することに成功し、酸化されたAβは顕著に低い凝集性および神経
毒性を示すことが明らかになりました。(引用終わり)】
化学的にAβを変化させる反応の1つとしてAβの酸化に着目し、酸化
を引き起こす化合物を検索したそうです。その結果、生体内の酸化還元
反応に関与しているビタミンB2とAβの混合液に可視光(ヒトの目で見
える波長の光)を照射することで、Aβが酸化されることがわかったそう
です。しかもこの反応は、生体内に近い環境下でも起こるそうです。
しかし、ビタミンB2は光を照射すると、生体内の様々な分子を酸化してし
まうため、研究グループはAβを選択的に認識するペプチドとビタミンB2
の複合体を作りました。この光触媒はAβに近づけることでAβを選択的
に酸化することが確認されました。
そして、この光触媒はAβを酸化させることで、Aβの凝集を阻害し、か
つ毒性を抑えることが示されました。
光触媒の存在下で脳の老人班、あるいは脳全体に光を当てるという治
療法になるのでしょうか?光で病気を治すなんで、魅力的ですね。
しかしまだ試験管内での結果ですので、実用化にはまだまだ研究が必
要ですが、期待したいですね!