『幽霊さんと行く肝試し』
ハイカラ屋吉兵衛『幽霊さんと行く肝試し』ナンダカナ出版
学校の夏休みの集まりや仲のいい友人たちと肝試しをやったことのある方は多いかと思います。皆さん、何も出ないとわかっていても、場所がお墓やいわくありげなところだったりすると、やっぱり背筋がゾゾゾ~ッとなったり、寒く感じたりしますよね。中には、友人に無理やり連れてこられた哀れな人もいて、そういう人は大抵、お化けというより、肝試しの類が苦手です。これを書いている私もそうです。まあ、今では夜のお墓は怖いというより、明かりがなくて危ないという感じなのですが。お墓の石に当たったらかなり痛いんですよ。
肝試しは二人一組で行くパターンもありますが、一人で行かされることもあります。前述の怖がりな人にとってこれはとても怖い。誰かもう一人いてほしいな、というのが正直な気持ちです。
そういう人のために本書が書かれました。本書の著者も怖がりな人で、肝試しの類が非常に苦手だそうです。ある時、友人たちに誘われて肝試しをすることになったのですが、その場所がよく出ると全国で噂の場所でした。著者は「もしかしたら心臓麻痺で死んでしまうかもしれない」と思ってしまうぐらいビビッたそうです。といって行かないわけにもいかない。そんな時、以前、泊まった旅館ギコ屋の幽霊さんのことを思い出しました。著者は「同じ幽霊だし、本物が出ても大丈夫だろう。それにギコ屋の幽霊さんはうらめしやという感じではないし、良い話し相手になってくれるだろう」と考え、善は急げ、早速幽霊さんに交渉しに行きました。幽霊さんは快く了承してくれました。
そして、肝試し当日。著者以外には幽霊さんは見えないので、仲間からは「あいつ、よく一人で行く気になったな」と思われていたそうです。幽霊さんは著者の横を漂っていたり、著者の頭の上に乗っかっていたりしていました。そして、著者の友人たちは、精巧な着ぐるみを作り、著者を驚かそうとあちこちに散っていたのですが、いざ、著者の前に出ると、著者の近くにはモナー顔をした「すいませんね~、ごめんなさいね~」と言いそうな、頭に三角巾をした人がいて、逆に腰を抜かしたそうです。幽霊さんは「?」という顔をしていたとか。
という著者の面白おかしい肝試し体験をつづった本です。なお、著者に連絡を取れば、幽霊さんと交渉する方法を教えてもらえるそうです。肝試しが苦手な方は、幽霊さんとおしゃべりをして、度胸を養ってみてもいいかもしれません。