☆ドラえもん のび太と 人魚大海戦☆
ゆゆを抱いて、車に乗り込む。
運転をしながら、【ゆめをかなえてドラえもん】を歌う。元気いっぱいに歌う。
ドラえもんがわくわくすぎて、吐き気。涙目。
映画館到着。
何を観に来たのか、いつもより(年一回しか行かないけど…)人が多い館内を一周。
フロア中央に居る中学生と思しき男子グループの声がデカい。
こいつら…ドラえもんか…?
うるさいとヤなので、少し不安になる。
新学期のクラス替えについて熱く語っている様子である。
グッズコーナーを見る。
チラシを見る。アリスなんだかって云う映画の冊子を見る。
トイレに行く。
受付には、下品な茶髪の、傷んだ長い髪を垂らしたお姉ちゃんと、同じく肩くらいの、若いお姉ちゃんが二人。何やら熱心に私語。
髪を弄りながら笑っている。
嫌な感じがする。
髪が肩までの姉ちゃんに黙って前売券を出すあたい。
『いらっしゃいませ~…』
あたいの目を見ない。
『16時5分からの上映、大人お一人様でよろしいですかぁ?』
『ハイ』
長い髪の姉ちゃんに前売券を見せて会話。
肩までの髪の姉ちゃんは新人かい?
それとも、あたいが前売券持ってるのが不思議かい?
『第一スクリーンでの上映です、ごゆっくりどうぞー』
前売券に入場券を付けて渡される。
あたい『・・・・・・』
ドラえもんの玩具は?
(°д°;)くれないの???
通常であれば入場券と一緒に渡される玩具…
だって、【入場者全員プレゼント】だぜ???
『それ下さい』
段ボール一杯のドラえもんを指差すあたい。
『あっ、あ、申し訳ありません、もっ、申し訳ありません、どうぞ』
『有難う』
…あたいは、カツカツの姉ちゃんの隣で笑う、長い髪の姉ちゃんを見たわ。
烏龍茶Mサイズ300円を買ったところでアナウンス。
まだマイクで喋っている最中の、またこちらも下品な茶髪の姉ちゃんの前に立ち、チケットを出して待つ。
ヒャッホーウ☆いっちばーん☆
スキップ小走りで中へ。
ド真ン中のド真ン中に座る。
ゆゆをバッグから出す。
『どう?もっと上がいいかな?』
3列上がる。落ち着いたところでさっき持ったチラシをゆゆと読む。
『アリスってのは、濃い話だねぇ…』なんてことを言ってる間に入って来たのは、チャラいあんちゃん…と、幼児2名。
これが平成の父親か…。
裸眼0.3のあたいが薄暗がりで見るところ、キムタクみたいな感じ。
幼児1名が振り向き、たぶんだけど、ゆゆを確認。モウ一人の幼児も続く。
あたいは余裕でゆゆに言う、
『ちょ見てみ、ゆゆば見てるわ』
あたいも振り向いた幼児2名を見つめる。
すぐに座席に潜り込む幼児。
『チキン野郎が、な、ゆゆ』
毎年のことながら、しんちゃんとポケモン、コナンの予告。
しんちゃんの予告では毎年泣きそうになるわね、今年はしんちゃんのお嫁さんの話ですって。
ジャイアンとスネ夫にいじわるされ、のび太の『ドラえもーーーん!』ベソで始まるベタな始まり。
えづいた【ゆめをかなえてドラえもん】が流れる。
この唄はマジ響くんだぜ☆
オープニングで泣きそうになるも、堪える。
ドラえもんの道具で、町が海になり、部屋と南国の海が繋がり、冒険が始まる!
『ヒトリでがんばるのも素敵だけど、
みんなでやったほうが、
もっと素敵だよ!!』
ゆゆを抱きしめ、もうスクリーンが見えない。
明るくなったと同時に、第一スクリーンにいた唯一の客、あの幼児2名と平成の父親が一斉に振り向く。
全身の力を黒目に込め、涙目ではあるが、強い視線を返すあたい。
29ですが、何か???
帰り道。
運転中もゆゆを抱き、思い出し笑いならぬ思い出し泣きをする。
なかなかの激しい雨は、ドラえもんと仲間の純粋さに泣く空の気持ちであろう。
あたいは目茶苦茶だけど、今年もまだ大丈夫みたい☆



