こんばんは、ゴージャス松野です!



今日は、伊達市伏黒光臺寺で、曹洞宗福島県第三教区主催の「令和元年度特派布教・檀信徒集会」が開催されました。



集会出席者の総勢は60名を越え、今年も大規模で盛大な集会となりました。



午前9時30分、参加者全員で般若心経をお唱えした後、第三教区長・萬休院ご住職大塚孝明老師様のご挨拶があり開講となりました。



本日の講師(特派布教師)は、東京都・永伝寺ご住職川上宗勇老師様でした。



ご法話に先立ち、まず最初に曹洞宗管長江川辰三禅師様のご名代として『告諭』(おことば)が厳粛に読み上げられました。



江川禅師様の「告諭」(おことば)は、概ね次のような内容でした。


・曹洞宗はお釈迦様をご本尊として歴代の祖師が相承してきた御仏の教えに従い正しい信仰生活を送ることを宗旨としている。
・道元禅師と瑩山禅師の両祖は、坐禅を中心とした生活の全てが御仏の行いであり、その功徳を普く人々に回らせなさいと示された。
・今、私たちの心は不安に苛まれており、凄惨な事件や争い、災害に胸を痛め、他者との関わりに悩むような苦悩に満ちた社会に生きているが、こうした世の中において、お釈迦様と両祖様はいかにして心安らかに生きるかをお示しになっている。
・御仏の前に静かに坐り、ご先祖に思いをよせて掌を合わせ、心身を調えて一仏両祖の教えを今こそ実践して参りましょう。

合掌



ご法話において、川上老師は、告諭の解説についてご自身の体験談や例えを交えながら大変分かりやすくお話を進められました。



老師によれば、今年の告諭の主旨は『仏道の行を成ずることは坐禅に始まり合掌で終わることである』ということでした。



老師は、坐禅について、人は生まれながらにして仏心仏性を持っている仏であり、坐禅をする姿自体が仏である。
坐禅をして自分と向き合うことにより、命は生かし生かされ、また支え支えられているものであると感じることが出来きて、坐禅をして仏心仏性に目覚めると、人は関わり合いの中で生きていて共に支えあって生きていると感じることが出来るようになると説かれました。



また、坐禅と合掌は一体であり、仏様の前で線香を真っ直ぐに立てること、それ自体が坐禅であり、掌を合わせて合掌する心が支え合う姿の現れで、その姿を見た周囲の人は勇気と力を受け取ることが出来るということでした。



そういった行を行う姿と心が世代を越えて受け継がれることが、仏教においては非常に重要であるということでした。



老師は僧侶として教誨師の職にも就かれており、同じ教誨師の先輩から聞いた体験談として、『ある受刑者と面談中、罪を反省する一つの方法として仏壇の前での焼香を教示したが、受刑者は仏壇の前にただ座るだけで、合掌したり焼香することが出来なかった・・・突き詰めてみると、受刑者はこれまでの人生において合掌をしたり焼香をしている場面を1度も目にしたことがなかった』というお話をなさりました。



法話の中のこのお話が深く心に残り、仏心仏性の行を行う大切さをより具体的に認識することが出来ました。



法話の後は、禅宗の食事の作法に従い「五観の偈」をお唱えした後昼食(ちゅうじき)を頂き、午後は檀信徒集会の時間となりました。



『布教師さんと語り合う』と題された今日の檀信徒集会・・・集会は布教部員の僧侶の進行により、直葬や家族葬など現代の葬儀の実態と問題点、護寺会費の滞納の対処の方法、海外における仏教の実態等々、参加者の皆さんと布教師様との間で質疑応答を交えながら屈託のない話し合いが行われました。



集会終了後は、先亡者供養諷経として参加者全員で修証義第五章をお唱えをして閉講となりました。



今日は、曹洞宗福島第三教区特派布教・檀信徒集会で、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。



覚念行秀  合掌