こんばんは、ゴージャス松野です!



今日は、昨日アップした『体に良い油と体に悪い油』に関連して、『トランス脂肪酸の危険性』を、少しご紹介させて頂きます。



アメリカ食品医薬品局(FDA)は、2015年6月16日に『トランス脂肪酸』の食品への添加を3年以内に全廃すると発表・・・そして、それがいよいよ今年の6月18日から実施となります。

日経新聞記事https://r.nikkei.com/article/DGXLASDZ17HQH_X10C15A6000000



『トランス脂肪酸の害』

トランス脂肪酸とは、マーガリンやショートニングなどの原材料となる「部分的水素添加油」を製造する際に、一部不純物として発生する脂肪酸のことを言います。



本来、常温で液体である植物油を、マーガリンなどの固形に加工するために水素添加する過程で発生し、摂取すると心臓疾患の一つである冠動脈疾患のリスクを上げることが確認されており、世界各国で規制の取り組みが進められています。



トランス脂肪酸は、劣化しにくく酸化したり腐ったりすることのない便利な油として登場し、しかもバターよりも安く製造できるので、現在ではバターに代わる家庭用のマーガリンの他に、ショートニングやファットスプレッドという名称でパンや菓子等の練り込み材料、フライドポテトやチキンの揚げ油等に広く使われています。



アメリカでは、トランス脂肪酸の分子を顕微鏡で見ると、プラスチックにたいへん似ていることから、1998年頃から科学者たちは「オイルのプラスチック化」と呼び始めました。



また、元来自然界には存在しない物質であるトランス脂肪酸は、「悪玉コレステロール」を増加させるだけでなく、肝臓に悪影響を及ぼして「善玉コレステロール」を減少させてしまうという2倍のマイナス効果で心臓病のリスクを高めると警鐘を鳴らしたということです。



それを受けて、アメリカ政府の食品医薬品安全局も、トランス脂肪酸の摂取量を減少させることが心臓病のリスクを低下させると発表して、2006年1月までにトランス脂肪酸の含有量表示を義務化することを決定しました。



2005年8月には、ニューヨーク市がすべてのレストラン、スーパーにトランス脂肪酸を含む調理油を使用しないように呼びかけ、ヨーロッパの各国では、それ以前からトランス脂肪酸の危険性が広く知られており、加工食品の含有率規制も行われています。



WHO(国連世界保健機関)とFAO(国連食料農業機関)は、合同で報告書を発表して、トランス脂肪酸の摂取量は最大でも1日あたりの総エネルギー摂取量の1%未満とするように勧告しています。



そして、世界の国々でトランス脂肪酸を使用していない「安全なマーガリン」が発売されて好評を得ているということです。



しかし、日本で市販されているマーガリンには平均値で約7%のトランス脂肪酸が含まれており、加工食品の製造過程で使用されるショートニングにはそれ以上のトランス脂肪酸が含まれています。  



トランス脂肪酸は、通常ではあり得ない分子構造の為に体内で処理しきれずに蓄積してしまったり、悪影響を及ぼすことが様々な研究の結果で分かってきたことが、世界中でのトランス脂肪酸規制につながっています。



コレステロールのバランスを崩して動脈硬化などの心臓疾患のリスクを高めるほか、免疫力を低下させてアトピー性皮膚炎などのアレルギーの原因のひとつとなることも指摘されています。



また、体内を酸化させてガンを発生させる原因にもなるともいわれています。



アメリカではガンによる死亡率とトランス脂肪酸を含む食品の消費率それぞれの増加がほぼ一致しているという報告や、認知機能を下げる恐れがあるという報告も出されていということです。



これは、血中の悪玉コレステロールが増えるために心臓だけでなく、脳の動脈硬化も進むためではないかとみられているからだそうです。  



日本では、2007年に食品安全委員会は国内に流通するパン類、乳製品、マーガリンなど386種の食品に含まれるトランス脂肪酸を分析して国民の摂取量を推計して発表しましたが、各家庭における総摂取量が欧米よりも低いことから、特に人体に影響を与える心配はないという結論付けました。



しかし、日本の食品安全委員会の調査には、外食産業で使われるショートニング等は含まれていなかったということです。



例えば、あるファーストフード店のフライドポテト(Mサイズ)には4gを越えるトランス脂肪酸が含まれており、このフライドポテトだけで1日当たりの基準値(WHOの基準値エネルギー比1%を摂取量に換算すると約2g)を超えることになってしまうということです。



また、コンビニで売っている菓子やケーキ、パン等の大量生産が前提の製品には、少量では有るにしても、その多くの製品にトランス脂肪酸が含まれていると考えられるということです。



ただし、日本でも自発的にトランス脂肪酸の低減化に取り組んでいる優良企業が有るということです。



皆さんも、是非ご参考になさって下さい(^-^)