つげ義春の旅物のマンガが好きだ。秋深い森の奥の温泉宿で湯につかり、ゆっくりと垢を落としてみたい。別にゲンセンカンの主人になるつもりはないし、下戸だからもっきり屋でチヨジと差し向かいで飲めるわけではないけれど。
垢を削ぎ落したいのだ。別に普段風呂に入っていない訳ではない。風呂には入って、しっかり身体も洗っているのだが垢が残って、こびりついているような気がする。
企画書と原稿を送るように言われているがなかなかできないのもそれで、元編集者に矯正された癖を直して、伸び伸びと書いてやりたいのだ。
企画書のファイルは既にあって、書きかけの原稿もある。それを送るのでもいいのだが、それは編集者の手垢がつき、そこにはまたぼくの不本意さが溢れている。これを削らねば。
結局白紙からやった方が早いのかなぁ。
幸いにして調子は上向きで、書きたいことや企画書のスタイルは見えていて、あとはつかむだけ。一方で来月の研究会の発表の材料をまとめればあっという間にもう年末だ。
温泉に行きたい。