金正日花展覧会に行った。2004年の冬のことだ。会場は朝の山手線みたいな人ごみで、それ幸いと人ごみに紛れたふりをして単独行動を決め込んだ。
花を主役に写真パネルを立てる。部署ごとにその豪華さを競う。
このパネルの写真にもいくつもの意匠が加えられている。その中で作り手はどこに個性を込めるのだろうか。金正日総書記を称える、という絶対的な価値と目的がある中で、どこかに自分だけに分かる小さな個性や遊び心を込めるのだろうか。「バレたらまずいよなぁ」と少しびくびくしながらも、個性を密かに編み込む楽しみ。そんな息づかいが聴こえやしないか。ぼくは耳を澄ます。
