昨日は先週から予定していたA嬢との初店外デートだった。

 
A嬢はお店からは1時間ぐらいかかる遠くから来ている。
 
チャキチャキの浜っ子。
 
そこからは東京に行って稼ぐのは大変だし、今は店も運営がうまくいってなくて、やっと今週になり、毎日の開店が可能になったような元気の無い店なのだ。
 
その店に出勤しても、お茶を食う事もあるし、なにせ感染リスクが高いと感じ、自分の夜勤の仕事以外に風俗のアルバイトをしていると言っていた。
 
都内には行きたくないと。
 
そこで私から出かけて行こうと思っていた。
夜勤の仕事もあるので休みの日に逢えないかと連絡を取って、やっと具体的なやり取りを経過して、今日のデートにこぎつけた。
 
11時にデパートの前で待ち合わせした。
 
行きは私の最寄り駅から3路線を乗り換え無しで行けるルートがある。
相互乗り入れというヤツで便利になった。
そのルートだと楽だし早く着く。
 
それに今は感染リスクが高いので、乗り換えの通路の混雑を回避して目的地まで行けるので、最高のアクセスになると思っている。
 
目的地までは乗り換え無しで約1時間半。
 
 
約束の時間ちょうどに着いたが、彼女の姿が見えない。
 
その前に私は「今日の聖句」というブログを書いていて、電車の中なのに感極まって涙が出てきてしまい、鼻からは鼻水がタラタラと流れだし、マスクが濡れてしまった。
そんな状態で彼女を探していた。
 
見つからないので、しょうがなしにLINEした。
 
「着いたよ」と私。
 
「私も着いてるよ」
 
「どこ?」
 
と送ったら彼女が私を見つけてくれた。
 
 
 
 
 
事前に喫茶店でコーヒーしてから…ね。
 
と送っていたので、彼女の案内で駅からそう遠くない喫茶店でおしゃべりした。
 
女性はおしゃべりが好きだよね。
 
私も若い時から比べて、よくしゃべるようになった。
 
最近は私の脳が女性化してきたかのように感じている。
 
スーパーに行っても。以前はメモした物しか買ってこなかったし、他のコーナーには目もくれなかった。
それが最近は一応全部の売り場を回って、冷蔵庫に切れている物がないかと考えながら買い物をするようになった。
 
私は自分の中で、こういう行為を「オバちゃん化」と呼んている。
 
オバちゃん化した私は、まずは彼女の話を聞く事。
 
次に相づち。
 
褒める。
 
次に関連した話題を話す。
 
の鉄則を守ることにしている。
 
そのうちに自分の話も聞いてくれるだろう、ぐらいの気持ちで聞く事に専念した。
 
私からは近況報告。
まず、アパート探しが始まったが、障害を理由に断られ続けている事。
 
彼女も精神障害者のグループホームで仕事をした事があって、「ごパンさんは良い方よ。もっと凄い人を見てきた」と言ってくれた。
 
そして、彼女からは、私が通っていた、あの店は辞めようと思っている事を告げられた。
 
私も賛同した。
 
あの店では彼女は何回かお茶を食っている。
収入無しで帰る事だ。
電車代だけ損をする。
 
それに夜勤の仕事の方が、あの店に行くよりもお金になるという衝撃的な話もされた。
夜勤の方が身体も楽だという。
 
それなら辞めるように勧めた。
 
「俺がここまで通うからさー」
 
彼女は都内まで行くのを感染リスクが高い事もあって、嫌がっている。
 
それなら私がここまで来よう、という話だ。
 
「でもね、ごパンさん、ああいう店は辞めると言っても、引き留められるから、自分からは言わないの。自然消滅するまで放っておくのね。」
 
「そうなんだ。それはそうだよね。必ず引き留められるよね」
 
これで合点がいった。
 
その他にも、あのお店の裏事情を教えてくれた。
 
やはり、私はまだまだそういう事情に詳しくない。
 
まだ遊び始めて7年目。
 
ひよっこだなぁ、と感じた。
 
私はコーヒーのおかわりを頼んだ。
 
この店は完全に禁煙で、彼女はタバコを吸うので、あまり居心地が良い店とは言えない。
でも、付き合ってくれていればいる。
 
今まで数回、お店に入る前に喫茶店デートをしてきたが、昨日は話題がかなり深い所まで話せるようになった。
 
 
彼女のお母さんは今、心肺停止で病院のベッドにいる。
今日はちょっと、突っ込んだ話をして、
「あのさー、こういう話はしづらいけどね、いざという時にはお寺さんのご厄介になる訳じゃん。そういう時は相談にのるよ。田舎にいるとお寺との付き合いも濃いものになるから、少しは役にたてると思うけど」
 
「大丈夫よ。もう、母の実家のお墓に入ることになっていて、親戚には連絡もしない事に決めてあるの。もう石には赤い文字が彫ってあるし」
 
「そうなんだ。赤字で彫ってあるなら安心だ。本来はそういう事をしっかりしていかなきゃ、いけないんだよね。みんなね。」
 
墓石に赤い文字で彫ってあるというのは、この墓に入る予約のようなもので、納骨のまでに白くして戒名を足して彫る事になる。
 
なかなかそこまで考えて実行する人は少ない。
そういう事ができるのは、相当の覚悟があってのはこと。
 
素晴らしい。
 
ホントの浜っ子。
 
喫茶店に入って1時間半が過ぎた。
 
彼女から行こうかと聞かれた。
 
そうだね。
 
彼女は財布を取り出して「割り勘ね」と言い出した。
 
それはダメだよ。誘った方が払うのが当然だろう。
 
彼女はやっぱり浜っ子だな。
そういう所はハッキリさせたいようだ。
 
今回は私が払う事にした。
 
「ごちそうさま」
 
「そんなことないよ、当然のことだろう」
と返した。
 
彼女の誘導で、あの辺りがホテル街だから、と案内された。
 
「あまり狭い部屋は嫌だな。少しばかり高くても広い所がいいよ」
 
「贅沢言わないの」
 
おお、かなり力強い発言。
 
「約束通りあの時間でね、私は延長とかしないし、約束の金額以外は受け取らないから」
 
うーん、潔い。
 
自己確立されている。
大人の女。
 
これは手強いと思った。
 
駅からそう遠くない場所にそのホテルはあった。
でも、人通りは極端に少ない。
 
入りやすいホテルだった。
 
受付も昭和の香りがプンプンする、対面式。
若い女の子が受付していた。
 
5分待たされた。
 
古い建物の割には駅に近く、人通りも少ないので、混んでいたようだ。
 
部屋に入ると、すぐに彼女は風呂にお湯を貯めに入っていった。
 
 
 
 
 
 
手際が良い。
高級デリ○ルで働いていたこともあると言っていたが本当のようだ。
 
あまり広くない部屋。
 
自分で脱いで風呂に…
 
これでは、あの店と変わりない。
 
これが彼女のやり方なんだな、と思った。
 
身体を洗って風呂に入る。
 
もちろん潜望鏡のサービス。
だが、泡が多くてやりづらそうだ。
こっちも腰をもっと上げた。
 
約1ヶ月ぶりの彼女とのプレイだ。
 
潜望鏡が終わるとそのまま挿入しようとしたが、彼女が風呂の中で滑りそうになった。
 
「いいよ、こんな所で怪我したくないだろ」
 
そしてベッドへ。
 
そこでもいつも通り。
 
ゴムの袋を開けていたので、
「ナマじゃないの? お店でもやってくれたのに」
 
「ダメよ。お互いのに為でしょ」
 
今日の彼女はかなり強気だなぁ。
 
「ごパンの好きなことからしてあげる」と言って素○をしてくれた。
 
じきに「少しだけ入れてあげるね」
 
うーん、やはり気持ち良い。
 
私の方からも動き始めた。
 
「上になってもイイ?」
 
彼女は
 
「うん」
 
ここで私の攻めに入る。
 
だんだん彼女の深くに入り込んでいった。
 
ゴムを付ける前なのに、これでもいいのかな?
と感じつつも続けた。
 
ベッドの脇には袋を破ったゴムがあった。
 
「今度はバッグ、イイ?」
 
「うん」
 
「このままイッちゃうよ」
 
「いいわよ」
 
最後にイク前に抜いてから発射しようかと、迷っていたが…
 
かなり迷ったが、勢い余ってそのままイッてしまった。
すぐにティッシュを取り出して彼女に渡そうとした、その時。
 
「いいのよ。付けてあるから」
 
えっ、いつの間に!
 
「ねぇ、ちゃんと付いてるでしょ。
ダメよ、ごパンさん、他の店でナマでやらせると言われてもやっちゃダメよ。
病気をうつされないでね。
それで私にもうつさないで。
検査だけで2万もするんだから」
 
「えっ、そんなにするの?」
 
「全部の項目を検査するともっとかかるよ
あの店では検査をしてくれないから、自分でやってたの」
 
うーん、やっぱりベテランはこういうところが違うんだな。
 
完全に裏をかかれた。
完敗である。
 
ここで、また脅かされる事を聞いた。
 
彼女は保育士の学校に行っていたそうだ。
でも、保育士にはならなかったと言っていた。
 
他にも調理師の免許も持っているようだ。
 
今の仕事の介護士の免許も持っている。
 
そんな事は全く知らなかった。
 
意外な一面、いや、いろんな顔があったんだな、と思った。
 
「Aさん、何者?」
 
つい私の口を突いて出てきた。
 
さっぱりした性格。
きっちりした態度。
 
凛々しさを感じた。
 
「これからどうするの?」
 
「ちょっと腹に何か入れて、それから美術館に行こうかと思っている。ここの美術館は3年前にも来たけど、また行きたい」
 
そういう趣味はないんだよね。
 
完璧に断られた。
 
延長はしない。
そういう事をするとお互いに依存しあって両方ダメになるから。
 
まったくMちゃんと私の関係のようだな。
ベテランだと、そういうケースを見てきたんだろうな。
 
彼女はとっても私の太刀打ちできる相手では無いことが、ハッキリと分かった。
 
やはり「女」は凄い。
 
覚悟した人通りにはかなわない。
 
そう思って、駅まで一緒に歩いた。
 
最後に飯屋のありそうな場所を聞いて別れた。
 
この次はあるのかなぁ?
 
そんな感慨には耽っていた。