部分入歯の具合が悪く、調整して貰うため浅草まで行ってきた。
歯医者は浅草のシンボル『雷門』の近くにある。
地下鉄を降りると人の多さに驚く、去年十二月に来たときに比べると雲泥の差である、「コロナ予防、人混みを避けなきゃ」と雷門一丁目の人通りの少ない裏道に逃げ込み歯医者に向かう。


歯医者で調整して貰う、「そろそろ狹山市に変えないと・・・」と、思案しながら雷門の裏通りを歩く。
このあたりは母の誕生日に一緒に食事をした<マノス><茶寮一松><すし屋の野八>等の名店がある地域、これらの店の前に差し掛かると母の嬉しそうな顔が浮かんで来る。


浅草の町を人は『世界の観光地』と言う、そして殆どの人は雷門を潜り、仲見世から浅草寺を中心にその東西、東は隅田川、西は国際通りまでの狭い範囲に集中している、確かにそこは観光地だが、大人の遊び場はその外側にある。

浅草で遊びたい、と言う友人達と『野八』や『櫻田』または『神谷バー』で一杯引っかけ、観音堂に手を合わせ、観音裏のスナックでワイワイやっていた頃が懐かしい、


会社を辞めてもこの連中とは定期的に浅草や上野、渋谷で逢っていたのだが。


みんな歳を召してしまった、それにこのコロナ騒動、あの頃のようなことはもう出来ないのだろうか・・・、イや、死ぬまで馬鹿をやっていたい。