『ノーベル賞の物理学賞にまた日本人が受賞した』との報道が賑わっている、しかし、基礎研究分野の我が国の現状を見ると素直に喜べないのだ。
今回受賞した真鍋淑郎博士は確かに愛媛県生まれで東大卒であるが、20代後半に≪研究を続けるために≫米国に渡り、米国国籍を取り研究を続けたという。
同じように研究を続けるために米国籍をとり、米国で研究を続け、ノーベル賞を受賞した南部洋一郎博士、中村修二博士がいる。
報道では28人目の日本人受賞者とお祝いムードだがそう喜んではいられない、日本人科学者の海外流出が進んでいる実態に目を向けねばならないのだ。
特にここ十年の科学技術分野への国費支援は≪効果≫優先が強くなり、基礎科学研究分野への支援額が削られ続けており、国内での研究環境は非常に悪くなっており、頭脳流出が止まらない。
「また日本人がノーベル賞を・・・」と喜んではいられない、日本国内での研究成果での受賞者は少ないのだ、海外の優良な研究環境の中で研究した成果なのだ、
言い換えれば国内では研究以外の雑用(資金集めなど)件が多く研究に集中出来ないそうだ。
私が宇治市に住んでいたとき、近所に大学で物理学の研究をしている人が住んでいたが、、自分の研究を進めるために声のかかった米国の研究機関に行ってしまった。
発明、発見は好奇心からスタートする、目先の果実を得ることも大事だが、将来に渡って収穫を続けるには無駄に終わることも多くあるだろうが、少しの可能性にかけて研究を続けることが必要である、基礎研究分野への投資、支援が今こそ必要である。
かって、半導体、再生エネルギー分野において我が国は世界の最先端を走っていたが、無知・無理解な政治家たちが寄ってたかって駄目にしてしまった、今、その片割れや子供、孫たちが国を牛耳っているので、どうにもならないか・・・あきらめ。