「お父さん、瓜を沢山戴いちゃった」
そう言いながら帰ってきた、会社の同僚から貰ったそうだ。
中を覗くと『はやとウリ』だった。


「どう調理したら良いんだろう」
「何も聞かずに貰ってきたのか」
「お父さんなら解るだろう、と思って」
「漬物、炒め物、きんぴら、スープ・・・俺は好きだよ、只、あくが強いのでアク抜きをしないと手が酷い目に遇うけどな」
「お父さんに任した、お願いします」
またまた私が調理することになってしまった。
我が家は娘は会社勤め、帰りが遅い、私は一日暇をもてあましている、従って夕食はだいたい私が準備しているのだ。
長い間女房が寝込んでいたので台所仕事はくにならない、また料理は惚け防止に非常に良いと思っている。
翌日早速このウリ2個を二つ割りし、種の部分を取り除き、塩水に浸す、アク抜きである。
ボールに酢・砂糖・塩を入れ良くかき混ぜ、アク抜きしたウリ一個分をスライスし、ボールに入れよく揉み込みジップロックの中へ出汁昆布と鷹の爪と共に入れチャックを閉め冷蔵庫に入れる。

浅漬けの出来上がりである。
残りの一個は炒め物、4分割したウリを1cm程のいちょう切りにする。
フライパンにごま油とニンニクをいれ香りが出るまでゆっくり温め、その後火を強め、豚バラ肉を炒め、色が変わったらハヤトウリを投入し3分ほどさらに炒めめ出し汁を投入し、一煮立ちしたら
水溶き片栗粉でとろみをつける。
今日はこの2品と豚汁で済まそう。
「お父さんの料理は美味しい」という煽てに乗せられて喜々としてキッチンに立っている私である。