実践、より良い日本語の歌を歌う為に
令和元年6月4日
梅原光洋
はじめに
日本語の歌は歌詞が聞き取れない、という声を良く耳にします。
はっきりしゃべればいい、母音を一つ一つきっちり変えて出せばいい、等いろいろやり方はあるようですが、日本語の歌詞が直接聞き取れて、なおかつ詩の意味が伝わるように歌うことは簡単ではありません。
ではどうすればよいのでしょう。
そこで私が実践してきた日本語の歌詞を聞き取りやすくするだけでなく、そのうえ詩のもつニュアンスを直接メロディーに乗せて表現するためのテクニックを紹介していきたいと思います。
ここでは日本語の歌詞をいかに聞き取りやすくしていくかという事がメインに取り上げるので、根本的な歌声の出し方、発声に関してはあまり触れません。もちろん発声とも密接な関係があり、ちゃんとした発声が出来なければ聞きとりやすい歌にはなりません。ですが複雑になりすぎて分かりにくくならないよう、あえてここでは説明しません。もちろん別の機会で紹介するつもりです。
より実践的に、より具体的に分かりやすくを目指してこれからどんどん改変していきますので、いろいろご意見およせください。
①歌詞をローマ字に変換する
まず初めに歌詞をローマ字に変換します。
例として「この道」をあげます。
この道はいつか来た道
ああそうだよ
あかしやの花が咲いてる
これをローマ字に変換します。
KONOMICHIUWA ITSUKAKITAMICHI
AASOHDAIYO
AKASHIIYANO HANAGASAITERU
[ローマ字に変換する時の注意点]
や行、わ行は前にI(い)またはU(う)を必ず付け加えてください。
「や」→IYA 「ゆ」→IYU 「よ」→IYO
「わ」→UWA 「を」→UWO
つまり
「や」「ゆ」「よ」は「いや(iya)」「いゆ(iyu)」「いよ(iyo)」、
「わ」「を」は「うわ(uwa)」「うを(uwo)」
と発語するという事です。必ず付け加えて変換させて下さい。
②1文字ずつ読んでいく(子音と母音別々に)
ローマ字に変換出来たら次は、ローマ字を1文字ずづ音に出して読んでみます。
たとえば 冒頭の「この道は」は
K-O-N-O-M-I-CH-I-UW-A
(「わ」は「UW」が子音、「U」から「W」を経由して口を開けた「あ」が母音と考えてください)
というふうに全部子音と母音を切り離し、ローマ字1文字ずつ音に出して読んでいきます。
実はこの段階は地味で時間がかかる作業ですが、美しくはっきりと伝わる日本語の為に1番大事です。
ここをちゃんと理解してじっくり時間をかけてやるかやらないかで結果が大きく変わってきます。
説明と注意する必要がある点がいくつかあるので押さえておきます。
・まず、子音を音にする
たとえば最初の言葉「この道は」の1文字目は「こ」と1文字であらわされますが、ローマ字だと「KO」で、子音「K」と母音「O」の2文字に分けられます。
やってほしいのは、「こ」と発語するのではなく、「K」と「O」を別々に音にして欲しいのです。
ですから、ローマ字に変換した一文字一文字(子音と母音1つずつ)全部を別々にして、「K」「O」「N」「O」「M」「I」「CH(もしくは「C」)」「I」「UW」「A」と一つずつ音に出していきます。
・「K」と「T」を単独で発語するのは難しい
「T」は単独だと「TS」が近いです。(「つ」が近いですがあくまで母音は別に考えてください)
母音と切り離して発語するのは困難ですがやってみる、意識することが大切です。
・「M」「N」の区別を理解しましょう。
「M」は唇を閉じた状態。閉じたまま出した音を伸ばすと結果ハミングになります。
「N」は舌の先を上あごにくっつけて口を閉じないで音にします。これが「N」です。
「M」は口を閉じる、「N」は口を開けると覚えてください。
ここには出てきませんがハ行の「H」、パ行の「P」、ガ行とギャ、ギュ、ギョの「G」、
ザ行とジャ、ジュ、ジョの「Z(J)」、も同様に母音とは切り離して子音だけを音にしようと思って下さい。
どちらの子音を音にする時も大事なのは母音と切り離すことと、もう一つ次の項目です。
・子音はアタックするのではなく時間を長くとること
ローマ字にしたのは、子音と母音に分けるためですが、子音をはっきり発語するというと、子音にアタック(アクセント)を付けてしまいがちです。ですが決してアクセントではなく、子音の時間を長く取ろうと思って下さい。「K」や「T」は難しいと思いますが、強いアタックではなく横に流す線のように考えてください。子音の時間を長くしようとすることで子音を聞きやすい音にする事が出来ます。
発声とも関わってきますが、発語するために舌をなるべく前の方で使おうする、全て前の方(前歯に近い方)で処理しようとするとやりやすいくなると思います。美しい響きを作るにはなるべく頭の上の前の方に響きの場所を持ってくることやりやすくなると思います。
さて、ここまでまだまだ最初の段階ですが、かなり説明が細かくなってしまいました、いかがでしょうか。
次はいよいよ切り離した子音と母音を繋げて読んでいきます。
ここにもコツがあります。長くなりそうなので今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。