他のグループが全て終了して、私達のグループの番に。
私の馬(Magic Word)にはコルムが騎乗。
乗る時に、ぶっ飛んだり、シートアップ(馬に掛けてあるラグを折りたたむ)で凄い尻っパネをしたり・・・。
乗る時に、ぶっ飛んだり、シートアップ(馬に掛けてあるラグを折りたたむ)で凄い尻っパネをしたり・・・。
コルムに『口がナーバスで、頭が高いから気を付けて』と言って、送り出しました。
↓緑帽の3番手にいる馬。

↓緑帽の3番手にいる馬。

7f(1400m)スタート地点まで、ゆっくりキャンター。
そこで一回、息を入れなおしてスタート。

内馬場ではゴルフを皆様楽しんでいます。

最終組がスタート。
そこで一回、息を入れなおしてスタート。

内馬場ではゴルフを皆様楽しんでいます。

最終組がスタート。
私の見える限りでは3番手を追走。
最後の直線に入ってくると、最終コーナーは物陰と坂の加減で見づらく、
馬達が駆け上がってくると・・・・

私の馬が見当たらない!!
馬達が駆け上がってくると・・・・

私の馬が見当たらない!!
っと、思っていると、1頭10馬身くらい遅れて追走してきた凹
コルムは、ゴール地点でキャンターを流す事無く、
私のところへ。
私のところへ。
『遅い・・・よね??』
コルム『(ムッとして)・・・・』
ここ最近の調教では、ずいぶん息の入りも良くなってきたし、
行きっぷりも、こんな馬では無いはずなんだけどな??
っと思って、馬を引いて厩舎に戻ろうとしたら・・・・
行きっぷりも、こんな馬では無いはずなんだけどな??
っと思って、馬を引いて厩舎に戻ろうとしたら・・・・
突然
マジックが
『ブギャ~~~~ブギャ~~~~~』
っと、鳴き始め
そのあまりの声に、TJと削蹄師が来て
私もマジックを見ると、目を見開き凄い声で鳴いてる・・・
私もマジックを見ると、目を見開き凄い声で鳴いてる・・・
しかも、みるみる体に力が入らなくなり、
足取りがおぼつか無くフラフラ・・・。
足取りがおぼつか無くフラフラ・・・。
一瞬骨折してたのか?
っと思ったけど、見る感じ骨には異常が無さそう。
でも、もう歩けない・・・ってくらいマジックはフラフラ。
っと思ったけど、見る感じ骨には異常が無さそう。
でも、もう歩けない・・・ってくらいマジックはフラフラ。
2人から『へっぽこ、歩かせろ。とにかく止めるな!!』
と声を掛けられながら、一生懸命厩舎に移動させようと手綱を引きます。
と声を掛けられながら、一生懸命厩舎に移動させようと手綱を引きます。
でも、私はこの声を知ってる。
命が消え行く前の声。
命が消え行く前の声。
そして、引いてる手綱から、彼女の生気が弱くなっていってるのを感じる。
厩舎の入り口10mくらい前で、とうとう彼女は歩く事ができず、
バタリと馬体を地面に横たわりました。
バタリと馬体を地面に横たわりました。
TJと削蹄氏さんは、最初一生懸命立たせようと叩いたり、叱ったりしていましたが、
私が『彼女はハートアタックだよ。(心臓発作)』っと言うと、それを止め。
私が『彼女はハートアタックだよ。(心臓発作)』っと言うと、それを止め。
削蹄氏さんは、投げ出された脚を綺麗に整えてやり、
TJは静かに見守って、私は彼女の顔を撫でていました。
TJは静かに見守って、私は彼女の顔を撫でていました。
そこに、パット(トラベリングヘットラッド)が来て、『オ~ファッ○』と言って、
水だ!水!!
っとバケツに水を持って来て、彼女にかけましたが、
TJが『彼女はもう・・・』っと。
水だ!水!!
っとバケツに水を持って来て、彼女にかけましたが、
TJが『彼女はもう・・・』っと。
確実に呼吸は弱くなり、彼女の口の中は血の気を失い真っ白に。
目も、生気を失い、瞳孔が開き始めてる。
目も、生気を失い、瞳孔が開き始めてる。
あ~マジック、あなたは行ってしまうのね。
私は何もしてやれないけど、
憎まれても、
怨まれても、
彼女が見る、最後の瞬間に私が見えるように。
憎まれても、
怨まれても、
彼女が見る、最後の瞬間に私が見えるように。
ただ、そんな事を思って彼女の顔を撫でながら、その時を迎えるのをソッと見守りました。
何度か、
ヒックヒックと弱々しい息をして、彼女は天国へ旅立ちました。
ヒックヒックと弱々しい息をして、彼女は天国へ旅立ちました。
ジョッキーとエイダンが来て
『彼女は、行ってしまったの?』っと。
皆が彼女を見て、黙祷を捧げ
ジョッキーは、帰宅。
『彼女は、行ってしまったの?』っと。
皆が彼女を見て、黙祷を捧げ
ジョッキーは、帰宅。
彼女の馬体の汗は、まだ生暖かく
まるで、寝ているかのよう。
まるで、寝ているかのよう。
私は、彼女のハミや馬具を外してやり、
キース(ライダー)が彼女のしていたワンコ(脚につける馬具)を外してくれました。
キース(ライダー)が彼女のしていたワンコ(脚につける馬具)を外してくれました。
この日乗ったコルムは厩舎に戻り
ラグを取ってきてくれて、彼女にそっと掛けてから帰っていきました。
ラグを取ってきてくれて、彼女にそっと掛けてから帰っていきました。
それから、競馬場の人がビニールシートを持って来てくれたので、
それを掛ける事に。
それを掛ける事に。
最後に、彼女の頬にキスをしてお別れ。
ビニールシートをかぶせ、石を置き。
もう彼女を見る事が出来なくなりました。
もう彼女を見る事が出来なくなりました。
ビニールシートの上から、もう一度顔を撫でてから、厩舎へ。
厩舎に戻り、彼女の荷物をまとめ馬運車へ運んでいると
エイダンが来て、『大丈夫?』っと。
エイダンが来て、『大丈夫?』っと。
私は、ずっと我慢していた涙がす~っと出てきてしまいました。
『彼女は、競走馬だから・・・・』
っと言うのが精一杯。
っと言うのが精一杯。
馬が好きで入った競走馬の世界。
しかし、時には悲しく、辛い現実も隣り合わせ。
競走馬はペットではない。
そんな事は、ずっと昔に気持ちに踏ん切りをつけた事。
競走馬はペットではない。
そんな事は、ずっと昔に気持ちに踏ん切りをつけた事。
でも、
でも、
彼女が居なくなって、こみ上げてくるこの感情。
でも、
彼女が居なくなって、こみ上げてくるこの感情。
パートナーを失ったこの気持ち。
私は、涙を抑える事が出来ずに馬運車に荷物を置きに行き、
少しジュースを飲んで、落ち着いて
涙を拭いてから、厩舎へ。
少しジュースを飲んで、落ち着いて
涙を拭いてから、厩舎へ。
私は今立ち止まるべきではない。
彼女の為にも、進まなきゃ。
彼女の為にも、進まなきゃ。
私は、厩舎に戻ってから、皆の仕事を手伝い。
この日、怪我した女の子の代役で、その子が連れてきた馬を連れ帰る事に。
馬運車に乗って、フッと息をついて
暗闇に染まった室内に、車のライトが飛び込んでくるのをぼ~っと眺めてたら、
涙が溢れ出してきた。
暗闇に染まった室内に、車のライトが飛び込んでくるのをぼ~っと眺めてたら、
涙が溢れ出してきた。
もう、止められないよ。
分かってるのに、しょうがない事だって。
だけど、この気持ちは・・・・
だけど、この気持ちは・・・・
アナタガイナクテサミシイ
悲しいとは違って、寂しい
悲しいは、私を哀れんでる気になって嫌になる。
この日の夜、私はKATIE MELUAと言う人の、
I CRIED FOR YOU
という曲を聴きながら眠った。
I CRIED FOR YOU
という曲を聴きながら眠った。
この曲の歌詞のように、
今は貴方の為に泣くけれど、
でも、私には私の人生があるから進まなきゃ!!
布団の中で泣きながら、彼女に別れを告げました。
今は貴方の為に泣くけれど、
でも、私には私の人生があるから進まなきゃ!!
布団の中で泣きながら、彼女に別れを告げました。
辛い現実。
時として、本当にやり切れないほどの苦悩や苦しみがあります。
それでも、朝起きて、私は翌朝いつものように仕事に行くのです。
なんで、こんなに辛いのに・・・
心の中は真っ暗闇で冷たい感じ。
それでも、小さな小さな光があるんです。
それが、何なのか自分を見つめると、
純粋に馬が好き。
純粋に馬が好き。
この仕事が好き。
って感情が残っているのです。
だから、今日も私は馬と向き合う。
誠心誠意
誠心誠意
それが、私が犠牲にしてきた馬にとっての報いだから。
Magic Word ちょっぴり気難しくて、 乗り運動でも、癖だらけ。 最初は、かなり手こずったけど、 あなたは、あんなに頑な心を私に許してくれた。 全部ではなかったけど。 あなたが私を見てくれた時は嬉しかった。 やっとパートナーになれたのね!って。ありがとう
さようなら
