ビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」では、約250人のブロガーがITにまつわる時事情報などを、日々発信している。連載最終回となる今回は、その中から「電子書籍」「Twitter」「3.11」を紹介しよう。●Kindle、年内にも国内進出? 昨日の遅い時間、各社がアマゾンのジェフ・ベゾスが日本での電子書籍事業を「年内に開始する」と語ったと報道したようです。 「キンドル、年内に日本へ」をジェフ・ベゾスが表明も、アマゾンのビジョンに追いつき追い越せって本屋は日本には今のとこゼロなのかも:平凡でもフルーツでもなく、、、 米国の電子書籍界でとある裁判が進行していることが、山崎秀夫氏「インターネットの第二の波とソーシャルメディアマーケティング」の米国司法省によるアップルと出版5社に対する裁判の行方(1)で紹介されている。「米国司法省がアップルと大手出版5社を談合により電子書籍の価格を吊り上げたとして独占禁止法の疑いでニューヨーク連邦裁判所に訴え」たというのだ。「この内出版3社は直ぐ和解」したが、「同時に16の州も損害賠償を支払う気のない大手出版3社とアップルを訴え、損害賠償を請求」しているとのこと。 1 http://blogs.itmedia.co.jp/borg7of9/2012/04/post-ede6.html 「裁判に関しては米国内にも賛否両論があり、その行方はどうなるかまったく」判らないという。さらに注目なのは、「オープン派のグーグルの存在感が電子書籍市場でまったく無い点が同時に明らかになった」ことだ。 山崎氏は、「この裁判の帰着はポストパソコン時代のスマート機器(情報家電の進化系)と情報消費財産業(電子書籍、音楽、テレビ・映画、ゲームなどのデジタルコンテンツ産業)の今後の在り方を大きく規定するかも」しれないという。全世界に影響を与える可能性もあるので、注目である。 国内に目を転じると、佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の「キンドル、年内に日本へ」をジェフ・ベゾスが表明も、アマゾンのビジョンに追いつき追い越せって本屋は日本には今のとこゼロなのかも(2)で紹介されたように、「アマゾンのジェフ・ベゾスが日本での電子書籍事業を『年内に開始する』と語ったと報道」された。 2 http://blogs.itmedia.co.jp/yasusasaki/2012/04/post-9b3f.html Amazonの最高経営責任者が語ったということは、これまでとは一線を画すのではという見方もあるが、「『顧客の視点から求められるサービスを生み出し続ける』こういうメッセージを言うのは簡単ですが、実際に実現するのは本当に大変」なこと。日本で電子書籍が普及するかというタイミングは過去に何度かあったが、顧客の視点ではないところの論理で実現しなかった。「出版業界で地位や実績がある会社は今後も紙主体でのビジネスを考えていく」のではないかと佐々木氏は言う。 eBookProプロジェクトを佐々木氏と進めている谷川耕一氏「むささびの視線」は、もうしばらくは「歯を食いしばって電子書籍をやる」(3)の中で、「電子書籍については、Amazonの対応は遅々として進まず。Apple iBooks Storeも、いまだ日本語電子書籍の販売開始の噂は聞こえてこない」と嘆き、「学研、主婦の友など40社がAmazonでの配信に合意との報道もなされていたが」「ここまで何度も裏切られているので、なんだか半信半疑」という。「日本の電子書籍市場での期待の星は、じつは楽天なのではと思ったり」するというくらいだ。 3 http://blogs.itmedia.co.jp/musasabi/2012/04/post-1cb9.html しかし同時に「儲からないけど、もうしばらくは、『歯を食いしばって電子書籍をやる』」という決意も見せる。「実際にやっているからこそ、見えてくるものがあるから」だ。電子書籍が本当の意味で定着するためにも、活動にも注目していきたい。●年度初めでエントリー数減少 今回の「オルタナブログ通信」は、4月12~18日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿されたエントリーの中から「電子書籍」「Twitter」「3.11」といったテーマについて紹介する。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてほしい。 まずは投稿状況グラフを見ていただこう(4)。 4 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1204/28/news004.html 年度初めということもあるのだろうか、エントリー総数が減少した。GW前後でどのような変化が出てくるのか、注目したいところだ。 4月18日には細川義洋氏「IT紛争のあれこれ」が、新規ブロガーとして参加した。最初のエントリーである調停委員によるIT紛争の考察にあるような紛争に関わっているそうなので、興味深い話が読めそうだ。 次にキーワードランキングを見てみよう(5)。 5 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1204/28/news004.html 「マーケティング」がベスト10入り、「ストリーミング・動画」も圏外から8位に上昇した。ベスト10以下は11位に「テクノロジー」、同率12位に「音楽」「番長と遊ぼう・オルタナトーク」が並んだ。 それでは、オルタナブロガーが4月12~18日にどのような話題を取り上げたのか、振り返ってみよう。●Twitter CEO来日の理由とは? 六本木で開かれたTwitterのディック・コストロCEOの会にうかがってきました。 TwitterのCEOはコステロじゃなくてコストロさんです:海外速報部ログ 佐藤由紀子氏「海外速報部ログ」はTwitterのCEOはコステロじゃなくてコストロさんです(6)で、「六本木で開かれたTwitterのディック・コストロCEOの会」に行ったと報告した。エントリータイトルについて佐藤氏は、「結構『コステロ』さんと書いている人がいるので、違いますよ」と知らせたかったという。「ご本人も自己紹介のときに『こすとろ』と」言ったのだが、「それだけまだ日本で名前が広まっていないということ」だ。「同氏は創業者ではないし、CEOになったのは2010年のこと」だが、「ビジネス路線をぐいぐい推進してきたのはこの人だ」と佐藤氏はいう。 6 http://blogs.itmedia.co.jp/burstlog/2012/04/twitterceocosto-8551.html 「ビシーっと黒いスーツに黒いタイだったんで、余計に東海岸系の人みたい」だったそうだ。会見中に「通訳の方が日本語にしている間、1回だけツイート」したとかで、ツイートされた写真に佐藤氏もちゃんと写っている。 コストロ氏来日の目的の一つは、古川国家戦略担当大臣との会談だったが、それは東日本大震災を経験して考えたTwitterの活用方法の提案だった。コストロ氏の提案に対して政府も前向きな対応をしたようなので、今後の動きを注視したい。 片岡麻実氏「片岡麻実の「テクノロジーとリベラルアーツが出逢うとき」」の東日本大震災からの学び 味スタ避難所でのIT活用事例 ー避難所運営に必要なスキルとはー(7)で紹介された「調布市にある味の素スタジアム避難所」では、「WebサイトとTwitterから台所用品を募集した所、50分後に提供者が見つかった」。「ポイントはネット上で公開されたやり取り」で、「すでに完了した案件なのか、どこまで進行したのか、どれくらい集まったのかがネット上で可視化され、分かるようにされ」ていたという。今後は災害時のインフラの1つとして、Twitterが積極的に活用されていくようになるかもしれない。 7 http://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/2012/04/it-130f.html ただしTwitterには危険性もあると、竹内義晴氏「竹内義晴の、しごとのみらい」の「外部の情報に引っ張られる」という危険な感覚(8)で書かれている。 8 http://blogs.itmedia.co.jp/takewave/2012/04/post-6e50.html 竹内氏が「Twitterを眺めていたらどなたかの講演会か何かの情報が、タイムラインに連続して流れて」きた。そしていつしか、「『そうか、そういうことが大事なのか』と、その情報を表面的に受け取り、判断しようとしている自分」に気がついたというのだ。Twitterに限らず、テレビやラジオ、新聞などにも言えることだが、「外部の情報を表面的に受け取り、判断するこの感じはまずいな。危険だな」と思った方がいい。「自分で考えることに時間を割くように」心がけたいものだ。 Twitterには関連サービスが多数存在する。高橋誠氏「点をつなぐ」がBufferは登録しておいたツイートを適当に分散してつぶやいてくれるので便利(9)で紹介した「Buffer」は、気になった記事を登録しておくと、指定した時間に自動的にツイートしてくれるものだ。「Twitterでの情報発信を考えている人には便利なサービス」かもしれない。 9 http://blogs.itmedia.co.jp/ten/2012/04/buffer-5baa.html 一方、吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」の残念、ツイートメールがサービス終了(10)で紹介されたように、終了するサービスもある。吉川氏が指摘するように、「開発したサービスについてだらだらとサポートもせずに垂れ流し的に続ける会社も多い中、マネタイズの難しいサービスをすっぱりばっさりと辞める」のは至極まっとうだ。サービス終了した分は新しい事業に注力するということなので、これが「今後どう伸びるか楽しみ」である。 10 http://blogs.itmedia.co.jp/knowledge/2012/04/post-e26b.html●「原爆の子」の意見とは? 誰ひとりとして原発や原爆の被害者が増えて欲しいなどと考える人はいないはずです。 原発事故の放射能なんか風でアメリカまで吹き飛ばしちゃえばいいんだ、という意見:天下夢想onオルタナティブBLOG コストロCEO来日は、東日本大震災をきっかけとしたTwitterの新たな展開を模索することにあった。しかし被災地は、震災から1年経過した現在も復興のめどが立っていないところが多い。 佐々木泰氏「もうひとつのソーシャルを考える」はふるさと再生に立ち向かう「南三陸マルセン食品ファンド」に投資しました!(11)で、「東日本大震災で被害を受けた事業者の早期再建を目指すファンド」に投資したことを報告した。「ゼロからの再スタートですが、『社員を呼び戻し、少しでも早く事業再建を行い、地域一丸となって、ふるさと再生に立ち向かいたい。』とおっしゃっていて」、「その趣旨に賛同し応援したい」と思ったとか。現地の復興が進むことを祈りたい。 11 http://blogs.itmedia.co.jp/shakaikouken0023/2012/04/post-b5c3.html 磯島大氏「天下夢想onオルタナティブBLOG」は原発事故の放射能なんか風でアメリカまで吹き飛ばしちゃえばいいんだ、という意見(12)を聞いて、驚いた。その人は「わしらは原爆の子なんだよ」とも言ったという。 12 http://blogs.itmedia.co.jp/isojima/2012/04/post-6d60.html さすがに「アメリカに吹き飛ばしていいとは思いませんが、よくよく考えるととても根っこの深い発言だったのではないか」という気がする。「原爆投下についてアメリカは謝罪するとか反省するではなく、やむをえなかったで片づけていることにも起因するのではないか」と考察する磯島氏に筆者も同感である。「今回の原発事故についても東電の言い訳のように、仕方なかった(天災だ)とか予測不能だったいうようなことを言ったり、政府のその後の対応も含めて責任の所在があいまいなままでは、何十年もたっても同様に微妙な感情的軋轢が残ってしまうかも」しれない。 刺激的な発言だが、「とてもいろいろなことを考えさせられるきっかけになった」のは間違いない。●「継続は力なり」のワナとは? 「継続は力なり」よく言いますよね。実際に続けていることはすごいことだと思います。ところが、継続することが目的になる。継続していること自体が言い訳になる。そういうワナにはまることがあります。 ブログを書くときに気をつけている12のこと:坂本史郎の【朝メール】より 最後に2本のエントリーを紹介しよう。 坂本史郎氏「坂本史郎の【朝メール】より」のブログを書くときに気をつけている12のこと(13)では、「継続は力なり」について、「継続することが目的になる。継続していること自体が言い訳になる。そういうワナにはまる」とあり、興味深かった。そうならないために必要なことは——「『単に続けるのではなく、工夫を続ける』と意識する」ことだという。自戒を込めて読ませていただいた。 13 http://blogs.itmedia.co.jp/shiro/2012/04/12-fe94.html そして、空野正輝氏「ネットバー」の「嫌なことがあった時」読むと元気になる言葉(14)。「生きてる限り、どんな嫌なこととか、悲しいこと、時間の無駄なことだと思っていたとしても、『人生において無駄なんて一つもない』そう思うようにしています」——相田みつを氏の言葉を読み、空野氏はいう。「どんな最低なことがあっても『これも何か意味があるんだ。』と無理やりにでも思うように」しているのだと。「その時はつらいかもしれないですが、振り返るとそれが本当に自分のためになっている」のである。正に「人生無駄無し」だ。 14 http://blogs.itmedia.co.jp/itbar/2012/04/post-f470.html 以上、4月12~18日にかけてオルタナティブ・ブログ(15)へ投稿されたエントリーの中から、筆者が気になったものをいくつか選んで紹介させていただいた。本稿からオルタナティブ・ブログに興味を持たれたならば、ぜひほかのエントリーにも目を通していただきたい。どこから読めばいいか分からないという読者は、オルタナティブ・ブログの歩き方というナビゲーションページも、活用していただきたい。 15 http://blogs.itmedia.co.jp/itbar/2012/04/post-f470.html オルタナティブ・ブログを読むには、大きく分けて2つの方法がある。エントリーを個別に読む方法と、ブロガーごとに読む方法だ。 個別に読みたい人は、新着エントリー一覧をチェックするといい。フィード配信もされており、モバイルツールなどを活用して出先からでも気軽に読むことができる。アクセスランキングで上位エントリーも読むのもいいだろう。 ブロガー別に読んでみたい人は、ブロガー一覧や新規参加ブロガーをチェック。顔写真“のみ”一覧は、なかなか壮観だ。また、注目のブロガーを知りたい場合は、月間ブロガーベスト30を見れば一目瞭然だ。TwitterやFacebookなどのアカウントを公開しているブロガーも多いので、気軽にフォローしてみよう。 このほか、オルタナブロガーのインタビュー、座談会、執筆記事もまとめられているので、ブログ以外のブロガーの姿も見てもらいたい。 オルタナティブ・ブログから、ITの今を知る新たな発見があるはずだ。 さて、2007年3月19日の過渡期から見えたコミュニティーの未来から、約5年1カ月に渡って連載してきた「オルタナブログ通信」だが、残念ながら今回をもって最終回ということになった。本連載が少しでもオルタナティブ・ブログに触れるキッカケとなることができたのだとしたら、筆者は幸甚だ。これからもオルタナティブ・ブログ自体は続いていくので、引き続き読んでいただければ幸いである。 長い間「オルタナブログ通信」を読んでいただき、ありがとうございました。また、どこかでお会いしましょう。


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