来春卒業する予定の大学生や既卒者の就職活動が本格化している。岡山労働局が27日発表した今春卒業の大学生の就職決定率は91・1%と3年ぶりに90%台を回復した。だが、就職事情は依然として厳しく、不安を募らせながら就職活動を続ける既卒者も多い。新卒の大学生向け会社説明会の開始が2カ月遅くなり、「会社を選ぶ時間がない」と戸惑いの声も漏れている。【井上元宏】  北区のオフィスビルにある「おかやま新卒応援ハローワーク」は、大学生や卒業後3年以内の既卒者を支援する。3月に岡山市内の私立大を卒業した男性(22)はパソコンのマウスを操作しながら画面の求人票を食い入るように見つめていた。「働き出した同年代を見て、なんで自分だけって思いますよ」と声を震わせた。約100社に必要書類を送り、約40社で面接にこぎ着け、8社は最終面接まで進んだが内定ゼロ。「熱意が伝わらなかった」と声を落とす。  同じビル内で26日にあった県内企業の合同面接会。出席した卒業2年目の男性(25)は「やればやるほど焦りが募る」と打ち明けた。卒業後、正社員採用を目指して県内企業に契約社員として就職したが、業務縮小のために3月で退職した。「次は長く勤められる会社に入りたい。でも卒業2年目ともなると不利になるんじゃないか」と不安を隠さない。  大学生も厳しい就職活動を進めている。会社説明会の開始時期が昨年、従来の10月から12月になった。一方、企業の面接は年明けから始まった。県内企業に就職を目指す私立大の男子大学生(21)は「説明会に出ないと企業の雰囲気が分からない。会社の情報を十分に得られないまま、あっという間に面接がやってきた」と戸惑った表情だった。  厳しい就職活動で心のバランスを崩す学生や既卒者もいる。新卒応援ハローワークでは臨床心理士がカウンセリングを行っているが4月の相談人数は12人。中には、1時間ずっと押し黙ったままの相談者もいたという。  岡山労働局によると大学生の就職決定率は昨年より3・4ポイント改善した。それでも91年度以降で過去9番目の低水準で、円高などの影響で企業の採用意欲が回復するかは見通せない。新卒応援ハローワークの井上学・統括職業指導官は「卒業後3年以内を新卒扱いにする企業も増えている。新卒に加え、既卒者の採用の枠を広げる活動を続けたい」と話す。4月28日朝刊


この記事の著作権は、下記の引用元に帰属します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120428-00000263-mailo-l33