国際的な学力調査「生徒の学習到達度調査」(PISA)で求められる知識の活用力や表現力アップを目指し、福井県小学校教育研究会理科部会が独自の理科問題例集を作成した。国語と見まがうような読解問題も含まれ「戸惑いがあるかもしれないが、教員は指導法を考え、自作の問題作りにもつなげてほしい」と同部会。実際の試験での活用も想定しており、12日には福井市と永平寺町の小学校へ説明する。(柴田裕介) PISAは経済協力開発機構(OECD)が3年に1度実施し、子どもの学力の国際的な指標となっている。2004年に日本の学力低下が浮き彫りとなり、ゆとり教育が見直されるきっかけにもなった。 同部会は昨年度、新学習指導要領の全面実施に沿い、国際的に求められる学力の育成を目指し検討を始めた。県教委の毎年の学力調査に合わせて小学5年生を対象とした。過去のPISA問題を分析するなどして今年2月、大問六つからなる問題例集をまとめた。 例えば植物の発芽条件(温度、水、空気)の問題では、水に沈め空気を遮断した種子と、空気に触れている種子の実験を図示。従来なら「どちらが発芽するか」と問うケースが多かったが、問題例集では「両方発芽したらどんなことが考えられるか」「水に沈めた種子だけが発芽したらどんなことが考えられるか」と知識を基に考え、表現させる問題にした。 ダイコンの栽培や収穫をつづった文章を読ませ、要点を個条書きにさせる国語のような問題も。同部会長の間和生(あいだかずお)・順化小校長は「部会で『理科ではない』との意見もあった。だが理科の記述を理解することは、PISAでは科学的リテラシーの領域」と指摘する。 問題例集は県内全小学校に1冊ずつ配る計画。パソコンで問題をアレンジできるようデータも配布する。間部会長は「今後は5年生以外についても、教員から“PISA型”問題を募りたい」としている。 “PISA型”学力の育成は、県教委も10年度に学力調査を衣替えし力を入れている。県義務教育課は「具体的な問題は授業改善のヒントになる」と、同部会の取り組みに期待を寄せている。
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