大手工作機械メーカー「ヤマザキマザック」(愛知県大口町)の中国人社員が企業機密を不正取得したとされる事件で、愛知県警による押収データの解析が難航している。捜査関係者によると、データを保存したとみられるハードディスク(HD)の起動用パスワードを容疑者が明かさないためだ。解析は不正取得の動機解明に欠かせず、起訴できるかどうかを左右する。捜査幹部は「難しいが、まったく活路がないわけではない」とし、警察庁科学警察研究所(千葉県)などに協力を求めながら解析方法を探る。 捜査関係者によると、不正競争防止法違反容疑で逮捕された唐博容疑者(31)は、会社貸与のパソコンで社内システムに接続して不正取得した1万件以上のデータ類を、私物の外付けHDに保存したとみられている。 HDは、データを見るためのパスワードを入力するよう設定されているが、唐容疑者はパスワードについて「分からない」「何度か変えて忘れた」と明かさないという。「中身はフォーマット(初期化して保存データを消去)した」とも供述しているという。 パソコン周辺機器メーカーの社員らによると、「パスワードが判明しなければ、技術的に分析は極めて難しい」という。分解して解析する方法もあるが、膨大な時間が必要。また、データが消去されている場合は、データ復元に複雑な作業が必要になるという。 不正競争防止法は09年の改正で、取得した秘密情報を実際に利用していなくても、不正な利益を得るという動機があれば、取得行為だけで処罰対象となった。今回の事件で県警は、社内パソコンの分析から唐容疑者がデータを取得した形跡は確認した。しかし、唐容疑者が「個人的な勉強のため」と容疑を否認。取得後のデータの行方など「不正な利益を得る目的」を裏付ける明確な物証は得られていない。【高木香奈】
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