[ロンドン 16日 ロイター] 米アップル<AAPL.O>のタブレット型端末「iPad(アイパッド)」が新機種発売で家庭での普及を加速させている一方、企業では、会社が支給する無骨なパソコン(PC)に対する従業員の不満が高まっている。しかし、大手PCメーカーの米デル<DELL.O>で個人ユーザーおよび中小規模企業担当の統括責任者を務めるスティーブ・フェリス最高商務責任者は16日、PCメーカーにも、タブレット型端末市場で十分勝機はあるとの見方を示した。iPad中心に急成長するタブレット型端末市場だが、デルは昨年、米グーグル<GOOG.O>の基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載する「Streak(ストリーク)」シリーズから事実上撤退。今度は米マイクロソフト<MSFT.O>のOS「ウィンドウズ8」を採用したタブレット機を今年中に発売するとみられている。ロイターのインタビューに応じたフェリス氏は、「当社にはまだ発表していないタブレット製品のロードマップがある。年後半には一部発表できるだろう。この市場が閉じたものとはまったく思わない」と述べた。アンドロイド搭載タブレットも再び市場投入する可能性があるという。ウィンドウズ8搭載タブレットは、デル以外にも、レノボ(聯想集団)<0992.HK>やヒューレット・パッカード(HP)<HPQ.N>のほか、恐らくノキア<NOK1V.HE>も市場投入を検討している。フェリス氏は、これまで築いてきた数千社に及ぶ企業顧客との関係が、同社のアップルに対する優位性だと説明。「企業向けの世界では、セキュリティーや相互運用性、システム管理が懸念されることが多いが、これらを解決できる最善の位置にいるのがデルだと考えている」と述べた。さらに、iPadには、処理スピードとタイピングの面で物足りない点が多いとも指摘。「コンピューターを片付けてiPadを持ち出すとき、ユーザーは多くのことを妥協している」と語った。タブレット型端末以外でデルは、ウルトラブックと呼ばれる薄型ノートPCの分野で新製品「XPS13」を発売しているが、同氏は「1週間前の発売以降、この製品に対する需要は強い」と説明。「(XPS13は)PCへの当社のコミットメントを示すものだ。われわれはPCが好きであり、そこに強くコミットしている」と強調した。デルは、HPとレノボに次ぐ世界3位のコンピューターメーカー。一方、アップルは「Mac」とiPadの販売台数を合計すると、昨年どの大手PCメーカーよりもコンピューターを多く売っている。誰もが欲しがるような製品を生み出すアップルの能力はうらやましいか、との質問に対してフェリス氏は「われわれは違う方法で市場に向き合っている」と回答。「当社は主として、消費者であることも望む企業顧客に注力する企業であり、われわれが向き合っている市場では、デルは誰もが望むブランドだと思う」と語った。


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