電力供給のない場所でも携帯電話などを充電できる携帯型ソーラーパネル充電器の需要が、東日本大震災から1年を経てなお増え続けている。なかでも、デジタル関連雑貨やエコ製品の企画・開発を手がける「レッドスパイス」(横浜市中区)が2009年に市場投入した「ソーラーマルチチャージャー」は、小型で低価格ながら、信頼性も高い充電器として売れ行きが好調だ。災害時だけでなく、電源のない屋外などでも利用でき、環境にやさしい自然エネルギーへの関心の高まりもあって、今後も販売増を見込んでいる。 ◆多様なデジタル機器で利用可 ソーラーマルチチャージャーの特徴は、価格性能比の高さだ。携帯型ソーラー充電器は、安いだけなら中国製や韓国製などさまざまな製品が市場に出ているが、同社の製品がロングセラーを続けているのは、コンパクトさに加え、価格が安く、信頼性が高い点が評価されているからだ。 現在の主力モデル「CB-G405(2)」は09年10月に発売した第1号モデルに改良を繰り返して完成度を高めたロングセラー機種。携帯電話の半分程度のサイズ(幅3.8×高さ5.8×厚さ1.4センチメートル)で、重さは51グラムとコンパクト。リチウムイオン電池(500ミリアンペア時/5ボルト)を装着。太陽光で充電する場合は約50時間、パソコンのUSBから充電だと約80分でフル充電でき、外部機器への充電時間は30分で済む。 低価格のソーラー充電器は「太陽に当てても充電しない」「充電率が上がらない」など性能に問題がある製品もあり、購入者からの苦情も少なくない。レッドスパイスでは、第1号モデルで2%以上あった不良品率(不具合で返品される割合)を、現在のモデルでは1%未満に減少させた。 ミニライトが付いているほか、携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)、ゲーム機、タブレット型端末など多様なデジタル機器で利用できる。価格は1980円と廉価な上、外観の色も5色をそろえた。 企画営業部の嵯峨野玲二課長は「店頭では中国、韓国、米国など15社くらいの製品が並んでいるが、低価格レンジでは5本の指に入る売れ行き」と説明する。ソーラーパネルは電力変換効率の高い高性能製品も開発されているが「高級パネルを使えば1万円前後になってしまう。価格を抑えて広く売りたい」方針だ。 ◆震災後、販売4割増 同社が販売するソーラー充電器は全部で5機種。価格が3980円と最上位機種では、AM/FMラジオに強力ライトを搭載。太陽光による充電が約48時間、USB充電が約3時間。レトロなカーラジオのようなユニークなデザインで人気だ。 東日本大震災では被災地のみならず、関東にかけて広い地域で電力のない生活の不便さを実感。ソーラーパネルの需要増が続いている。モバイル機器も電源のないところで使えるかどうかが重要な条件になった。 同社のソーラー充電器は、東急ハンズやロフト、ドン・キホーテのほか、ホームセンター各店で扱われている。震災前は平均して月間2000~3000個売れていたが、震災後は3~4割増えており、「最大だと月間5000~6000個は売れる」(嵯峨野課長)という。
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