くらしき作陽大(岡山県倉敷市)で伝統芸能を学んだ全盲の竹本登久子さん(79)=倉敷市=が15日、卒業式に臨む。一度は諦めた進学に挑み、2年前には短大を卒業、編入した4年制大学からも巣立つ。孫のような同級生と過ごした日々を、「多くの人に支えてもらい、勉強は本当に楽しかった」と振り返る。自身の体験を伝えて視覚障害者らを勇気づけたいと、4月からは通信制大学で心理学を学ぶ。 琴の師匠を長年続ける竹本さんは先月、琴の実技試験に向けて学生4人と最後の練習に取り組んでいた。楽譜は見られないが、耳で曲を覚える。練習後、若い学生に「いい音出ていたね」と話しかけ、優しいお師匠さんの顔をのぞかせた。飲み会の打ち合わせから進路相談まで、世間話にも夢中になる。3年の石井陽香さん(21)は「いつも明るくて元気をもらう」と言う。 幼い頃から弱視で、進学を諦め琴の道を志した竹本さんは、20歳で師匠になったが、勉強したくて72歳で県立盲学校高等部に入学。作陽短大に進み、10年にくらしき作陽大音楽部に編入した。録音機や専用キーボードを使ってパソコンにメモしたり、時に板書の内容を学生に教わったりして講義を乗り切り、「勉強は新しいことが知れて楽しいことばかりじゃが。元気な限り続けたい」。遅れてきた青春を楽しんでいる。【石井尚】
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