企業の情報を狙うサイバー攻撃の増加を受け、情報セキュリティー大手各社が対策サービスの強化に乗り出している。トレンドマイクロは企業向けソフトに情報流出を防ぐ機能を初めて盛り込んだほか、シマンテックは中小企業が利用しやすいサービスの提供を始めた。各社は継続的な対策の重要性を訴えており、市場は一段と拡大しそうだ。 トレンドマイクロは、1月31日に発売した企業用パソコン向け対策ソフト「ウイルスバスター」の最新版に、あらかじめ指定した情報が外部に送信されそうになると阻止したり、画面に警告を表示したりする機能などを初めて搭載した。 サイバー攻撃は実在の人物をかたって電子メールを送りつけるケースが多い。メールに添付されたファイルを開くと、パソコンがウイルスに感染し、勝手に外部へ情報が発信されてしまう。トレンドマイクロが顧客の民間企業30社を調べたところ、16社で感染が見つかったという。同社は「特定の情報を執拗(しつよう)に狙う手口を新たな機能で防ぎたい」と話す。 シマンテックも1月16日から、インターネットを介してサイバー攻撃の監視などを自動的に行う「クラウド型」のサービスを始めた。同社によると、従業員250人以下の企業でも1日平均約11・6件の攻撃型メールが届いているといい、情報セキュリティー対策に専門スタッフを置く余裕がない中小企業での導入を促す狙いがある。 マカフィー日本法人は昨年7月、企業や官公庁に対策導入を働きかける専門部署を設置。米国で昨年10月に提供を始めた高度なサイバー攻撃に対応するシステムを日本へ導入することも検討する。 各社がサービスを競う背景には、ソニーや三菱重工業などがサイバー攻撃を受け、関心が高まっていることがある。メールを大量に送りつけられた電機メーカーの幹部は「不審な添付ファイルは開かないよう教育しており、情報漏えいはなかったが、人ごとではない。できる限りの対策を実施する」と話す。 マカフィーの試算では、石油ガス関連企業がサイバー攻撃を受けてサービスが止まった場合、1日あたり840万ドル(約6億5000万円)の損害が生じるという。調査会社のIDCジャパンは「企業活動にも支障が及ぶため、継続的な対策が重要」と指摘。セキュリティーソフトの国内市場規模は11年の1965億円から15年には2割増の2357億円に伸びると予想する。【竹地広憲】


この記事の著作権は、下記の引用元に帰属します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120220-00000062-mai-bus_all