人や車両が近づけない災害現場の上空を飛び、カメラで撮影した映像を即時に送信できる「災害偵察飛行ロボット」を、北九州市立大国際環境工学部の山本郁夫教授(51)(ロボット工学)が開発した。 全地球測位システム(GPS)と高度計を使い、目標地点に自動で到達できるほか、東京電力福島第一原発事故を受け、放射線量を測定し、即時にデータ送信できる機能も付けた。総務省が27日に福岡市で開くシンポジウムで発表する。 地震や洪水、火山噴火などの大規模災害では、現場周辺の状況を調べる際に道路の寸断などで近づけないことが多く、有人のヘリコプターを飛ばす場合も、危険性の判断や手続きのため出動までに時間がかかる。 山本教授はこの点に着目し、2007年から安価で操作しやすい偵察飛行ロボットの開発に着手。10年度からは総務省の研究として採択され、4年余りで成功にこぎつけた。ロボットは、凧(たこ)の骨格のような構造で、円形(直径約1・5メートル)と正方形(1辺約70センチ)の2タイプ。落下時の危険を考慮して主な素材にはアルミと軟らかいウレタン製のチューブを使い、重さはいずれも約5キロと軽量だ。 1回の飛行時間は10~15分。4~8個のプロペラをバッテリー(充電池)で回し、秒速10メートルの強い風にも耐えられる設計で、高度200メートル付近まで上昇し、上空で停止することもできる。無線操縦型の小型ヘリと比べ、地上から操作しやすく、GPSで指定した地点に自動で飛ばすことも可能だ。 飛行中に搭載カメラで撮影した映像は、無線機で国や自治体の災害対策本部に即時送信され、パソコン画面で見られるほか、搭載カメラには同時に高画質で録画する機能もある。
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