今は誰もが気軽に文章を作成できる時代だ。パソコンのキーボードを使って「ペースト」を行えば、他人の文章をそのまま使うこともできるし、間違った文章を手軽に書き直すことも、削除することもできる。このような時代にペンを使って文章を書いてみるのはどうだろうか。ソウル市西大門区の梨花女子大学では16日午後4時から、同大学複合団地(ECC)講義室など8カ所で、デジタル時代に逆行する小さな反乱、つまりアナログなペンによる饗宴が行われた。 「きょう、この場では紙と筆記具しか使えません」 幾つか注意事項が伝えられた直後、監督官は参加者の携帯電話をかけ始めた。呼出音が鳴ると無条件で失格だ。 梨花女子大学はこの日、同大学教養教育院主催で読書能力とペン字能力を競う「第1回梨花人読書大会」を開催した。デジタル機器の使用は一切認められない、純粋な「アナログ白日場」だ。「白日場」とは、学業奨励のために各地から儒学生を集め、王宮の庭などで詩文をつくらせた行事のことを言う。与えられた道具は、線の入ったB4サイズの用紙4枚と筆記具だけ。メモ用紙の使用も認められない。450人余りの学生は、大学が指定した9冊の指定図書のうち、1冊を読んでから大会に参加した。指定図書はヴァルター・ベンヤミンの『複製技術時代の芸術』、廉想渉(ヨム・サンソプ)の『三代』、ハイゼンベルクの『部分と全体 私の生涯の偉大な出会いと対話』など、人文・社会・自然科学を網羅する9冊の古典だ。 学生たちは2時間かけて、一字一字心を込めてこつこつと書評を書いた。講義室では紙の上をさくさく走るボールペンの音だけが響いた。作業中に手を開いてリフレッシュする学生も多かった。社会生活学科1年のファン・ガヒョンさん(19)は「ペンで書くのは疲れるし手が痛い。修正テープを使いすぎて原稿がボロボロになった。内容は大会前から考えていたのに、実際に書こうとすると、思いつかない」と言って恥ずかしそうに笑った。 今大会は、手書きで文章を書いた経験が少ない学生たちのために開催された。ペンで紙にすらすらと書き込むには、頭の中で書くべき内容を整理しなければならない。書き間違えたときも、パソコンなら手軽に直すことができるが、今回はそれとは次元が異なる作業が必要だ。梨花女子大学教養教育院のキム・ウンシル院長は「書評だけなら電子メールで受け取ることもできるが、手書きにすれば新たな思いつきが得られると考えた。昔の科挙のように、自らの考えを直接書く経験をさせたかった」と述べた。 2001年から10年以上にわたり「朝の手紙」を書き続けている作家コ・ドウォンさんは、上手に書く秘訣を「よく読むこと」とし「読むことをやめると精神が緩む」と話す。学生たちもこの点をよく理解しているようだった。梨花女子大学構内の書店では、大会を前に学生たちから本の注文が急増したため、特別に販売ブースを設けた。教保文庫梨花女子大学店マネジャーのチョ・ヨンジェさん(32)は「大会が始まる1月初めごろから、指定図書についての問い合わせが増えたため、特別にブースを設置した。数カ月に1冊売れるかどうかという本が、ここ数日間に数十冊も売れた」と話した。 学生たちからは、大学側が驚くほどの反響があった。冬休み期間ということもあり、学校側では当初100人ほどの参加を見込んでいたが、2日から始まった12日間の応募期間に450人から申し込みがあった。申し込みに間に合わなかった50人の学生も、当日に申込書を提出して参加が認められた。参加者が予想以上に多かったため、19日に予定されていた入選者の発表は3週間ほど先送りされた。 フランス文学を専攻する4年のキム・ソンさん(25)は「読書大会という名称はずいぶん前から聞かなくなったので、懐かしさを感じて参加した。大学にはまだ、読書して書評を手書きする“アナログ的な感性”を持つ学生が多いようだ」と語った。
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