NECは、企業の情報システムに使うサーバーの海外生産に乗り出す方針を固めた。タイにある子会社の工場を活用し、来年度から生産を始める方向で検討している。現在はほぼ全量を国内生産しているが、生産拠点を増やすことで海外市場の開拓に弾みをつけるほか、1ドル=70円台の歴史的な円高が続く中でコスト競争力の低下を防ぐ。パソコンよりも高機能のサーバーを海外で自社生産するのはきわめて異例。 現在は生産場所を選定中で、通信機器子会社「NECインフロンティア」がバンコク郊外のパトゥムターニー県で運営し、電話機などを製造する工場の設備を活用する案が有力だ。主に「PCサーバー」と呼ぶ低価格製品を生産する。 NECは山梨県甲府市の生産子会社「NECコンピュータテクノ」でサーバーのほぼ全量を生産している。海外では中国とハンガリーでごく一部を他社に生産委託しているが、自社生産は初めて。国際競争が激化し低価格化も進む中で、国内生産中心の体制を続ければ円高が足かせになると判断した。 NECは国内のサーバー市場では首位だが、約9割が国内向けで、世界シェアは約2%にとどまり、米ヒューレット・パッカードやIBMなど海外メーカーの後塵(こうじん)を拝している。このため海外市場開拓を急ぎ、2013年度にはシェアを倍増させ、海外販売比率も約10%から倍増させたい考え。東南アジアに生産拠点を構えることは、「地産地消」を進め現地市場を開拓する上でも役立つとみている。 日本メーカーでは、富士通が独シーメンスと1999年に折半出資で立ち上げ、09年に全額出資子会社化したドイツの工場でサーバーを生産している例はある。ただ、パソコンに比べて生産規模が小さいほか、海外シェアが低いこともあり、海外生産はあまり進んでいない。 調査会社のIDCによると、サーバーの世界市場は08年の約810万台が11年には約827万台に拡大。15年には1000万台を超えるとみられる。インターネットの普及で情報量が増え、ネット経由でソフトやシステムを利用する「クラウドコンピューティング」が普及するため。 一方で、普及機種を中心にコモディティー(汎用品)化が進んでおり、低価格化がこれまで以上にシェアの差を生む要素となっている。(井田通人)
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