インターネットバンキングの利用者の預金が他人名義の口座に勝手に送金される被害が多発している問題で、送金先の口座数は少なくとも235件あり、その9割は中国人名義とみられることが警察庁の調べでわかった。今年3月から11月までの被害は総額約3億円に達している。 同庁によると、11月までのネットバンキングを巡る不正送金の被害は全国56の金融機関の160口座で確認された。送金先の口座は235件で、名義人は123人。うち106人は名前の表記などから中国人とみられ、口座数では214件を占めた。今年秋には送金先口座からの現金引き出しなどに関与したとして、警視庁と埼玉県警が中国籍の男女計4人を逮捕。警察庁は一連の不正送金の背後で中国人グループが暗躍しているとみている。 約3億円の被害のうち2億8000万円は、ウイルスによって利用者のパソコンから抜き取ったID・パスワードをネットバンキングへのアクセスに使う手口で不正送金された。狙われたのは同じ数列を繰り返し使う固定式のパスワードで、一度使った数列は無効になるワンタイムパスワードでは被害が確認されていない。 残りの2000万円は、銀行からの「お知らせ」を偽装するフィッシングメールでだまし取られた利用者情報が悪用された被害だった。10月以降はウイルスを利用する手口が沈静化する一方で、フィッシングによる手口が目立っている。 ネットバンキングへの不正アクセスには、犯行グループとは無関係の人が所有するパソコンが「踏み台」として利用されていた。アクセスの経路をさかのぼる捜査で犯行グループが割り出されることを回避するのが目的だ。踏み台とされるのはウイルス感染がきっかけで、持ち主に気づかないまま外部から悪用されている。近畿地方の会社員が自宅で使っていたパソコンは、約2500ものウイルスに感染していたという。【鮎川耕史】


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