パナソニックは9日、海外の携帯電話端末市場に再参入すると発表した。子会社で端末製造・販売のパナソニックモバイルコミュニケーションズ(横浜市都筑区)が、来年3月から欧州の通信会社にスマートフォン(高機能携帯電話)を供給。その後は米国や中国でも販売に乗り出し、2015年度には国内の600万台を含め1500万台の世界販売を目指す。 欧州市場に投入するスマホは画面サイズが4.3インチで、基本ソフト(OS)に米グーグルの「アンドロイド」を採用。30~40代のビジネス用をターゲットに据え、薄型・軽量で持ち運びやすいデザインに加え、色鮮やかな表示が可能な有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレーを搭載し、他社の端末と差別化する。開発は日本で行い、マレーシアの自社工場で生産する。欧州ではその後も機種数を増やし、12年度に150万台の販売を目指す。 パナソニックモバイルの星敏典社長は同日の会見で「大きく事業を転換し、経営資源の多くをスマホにシフトしていく」と強調、海外向けはスマホに絞る方針を示した。 パナソニックは04年に1500万台の携帯電話端末を出荷し、約半分を海外向けに供給した。ただ、その後の価格競争で海外メーカーに敗れたほか、国内向け端末の高機能化が進み、開発費負担に耐えられなくなったこともあり、05年に海外市場から撤退。現在は国内市場に特化し、11年度に490万台の販売を見込んでいる。 今回、スマホが急速に普及し国内と海外の商品仕様に差がなくなる中で「再進出の機が熟した」(星社長)と判断した。 急速に普及するスマホ端末では、韓国サムスン電子や米アップル、台湾HTCが先行。事業範囲がほぼ国内に絞られている日本メーカーは開発で後れをとり、“虎の子”の国内市場すら奪われつつある。 一方で、スマホは従来型携帯よりパソコンに近く、「差異化が難しいためコスト削減に直結する販売規模がモノをいう」(大手端末メーカー)といわれる。パナソニックが海外に再進出する背景には「日本だけでは事業展開は困難」(星社長)という事情も手伝っている。 このためパナソニック以外の日本メーカーも、規模拡大を求めて海外市場の開拓を進める方針で、NECは12年度の海外販売台数を11年度見通しの2.5倍となる500万台に増やす目標を掲げている。(井田通人)
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