台風12号で浸水した和歌山県古座川町直見の県ふるさと定住センターが業務を再開した。Iターン者らを対象にした「田舎暮らしサポート研修」が被災後初めて実施され、20人が樹園でユズの収穫を体験した。被害のあった農場は整備中で、スタッフは「12月末までには終えたい」と話している。 定住センターは、NPOふるさと回帰支援センター(東京都)が県から委託を受けて運営。Iターン者らに農林産物の栽培や加工の技術を教えて田舎暮らしを豊かにしてもらう田舎暮らしサポート研修や、Iターン希望者を対象に相談に乗ったり農機具の使い方や畑の栽培管理法を教えたりする「農山村体験研修」などを行っている。施設の総面積は約2万3千平方メートルで、このうち畑は約5千平方メートル、樹園は約1万1千平方メートル。 事務所のある建物は、台風で床上約1・3メートルまで浸水し、パソコンや電話、コピー機、エアコンなどが使えなくなった。センター内のハウスは約2・3メートルの高さまで浸水し、農業用の機具や軽トラックなどの他、井戸水のくみ上げなどに使うポンプ、防獣柵が被害を受けた。 被災後、スタッフらが事務所から書類や机などを運び出し、泥をかき出して水洗いをした。10月いっぱいまでこの作業を中心に行ったが、その間、ボランティアが訪れて泥かきや壊れたハウスの片付けなどを手伝ってくれたという。11月からは、事務所の片付けと並行して、農場や柵の整備を始めた。 ユズの収穫体験は17日に行われ、参加者が露地栽培の木から色づいた実を選んで収穫した。実は出荷する予定だったが、浸水して泥が付いてしまったため、参加者が持ち帰って風呂に入れて楽しんだという。参加者の中には被災した人もいたが、研修では元気そうな表情が見られた。 林田秋センター長(61)は「復旧作業には研修生や移住相談者、大阪で開いた田舎暮らしセミナー参加者など、こちらに移住してきていない人もボランティアで来てくれ、感謝している。施設はだんだん元通りになってきてほっとしているが、研修をしっかりやりながら、農場を整備していきたい」と話している。 今後の研修は来年1月にそば作り、2月にみそ作りを予定している。


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