これ知ってますか?

 ■川辺の四季追う第二の人生 インターネットに「淀川ぶらり・ぱちり」と題したホームページがある。文字通り、淀川河川公園をぶらりとしながら見つけた四季を写真で紹介している。 《大阪・淀川河畔に住む年金生活者、生まれ・鳥取県中部の農村、経歴・記すほどのものなし》。そんなそっけないプロフィルとは裏腹に、遊歩道に咲き誇るコスモス、カルガモやノビタキなどの野鳥、川面に映る夕日などの色鮮やかな画像からは、被写体へのいとおしさが伝わってくる。 「淀川をカメラで追いかけて記録する人はたくさんおられます。私はまったく個人で、好き勝手にやっていることで…」 そう謙遜する“年金生活者”の遠藤義人さん(75)=大阪府守口市=は元新聞記者。大阪社会部を皮切りに地方部、校閲部などを務めたが、「老後は食えさえすればいいや」と平成8年、60歳ジャストで辞めた。第二の人生を淀川とともにすごす。 遠藤さんと淀川をつないだのは、退職後に始めたパソコン。知人に「覚えておくと便利」と勧められ、購入した。元記者だからカメラやOA機器はお手の物と思われがちだが、ちょっと違うようだ。 「退職の少し前、会社にワープロが導入されましたが、指1本で何とか動かしていました。何しろ無趣味のクソ真面目男で、女房は私が“ぬれ落ち葉”にならないかを真剣に心配していたほどでした」 退職の前年に、パソコン機能を飛躍的に進歩させた「ウィンドウズ95」が登場したとはいえ、60歳の手習いはやはり至難。パソコン教室をハシゴして、操作を覚えていった。 これがはまった。折しもホームページ制作が話題になると、見よう見まねで翌年5月に開設。タイトルは「定年自由人」。 「当時は簡素なものでしたが、それでもレイアウトに難儀しました。何より、ホームページは写真がないと見栄えしないことに気づいたんですよ」 すると、今度は写真教室へ。あわてて中古カメラも買い、近郊の行事や景勝地を撮影しては掲載した。淀川を被写体に、と考えたのもこのころだった。 「大阪へ出てきて40年近く淀川沿いに住んでいたのに、川辺に降りたことすらなかった。しかも、いまの自宅の前は国が管理する河川公園。何かあるんじゃないかと」 河川整備が進んだとはいえ、草花などの自然はまだ残っていることを知った。テニス場の横で初めてキジを見つけた時は驚いた。それらを図鑑で覚えては同じようにアップ。タイトルも現在名に変えた。 珍しさも手伝い、全国の閲覧者から便りが来た。それらの様子は、平成11年発行のロングセラー「定年後」(岩波書店)の一部に「無趣味人間のパソコン奮戦記」として取り上げられた。高校の総合学習にも携わった。 あれから10年余。さすがに体力は落ちたが、それでも週に3、4回、自宅周辺の約10キロをゆっくり散策しながら、川辺の四季を追う生活に変わりはない。 「絶えてしまうと思った花が、次の年も力強く咲いていたりすると、うれしいですね。今では女房もホッとしていますし、第二の人生を充実させてくれた淀川に感謝。足が動く限りは続けます」(豊田昌継)【メモ】淀川河川公園 財団法人・河川環境管理財団が運営する淀川の河川敷にある公園。広さは225.7ヘクタール(大阪城公園の約1.9倍)。京都府大山崎町から大阪市福島区海老江までの両岸に20カ所の施設広場地区のほか、野草広場、自然、景観保全の各地区がある。年間利用者は約580万人(平成22年度)。遠藤さんは守口市外島、八雲地区と大阪市旭区の太子橋地区を拠点にする。ちなみに、東京在住で同姓同名のプロカメラマンがいるが、まったくの別人。


この記事の著作権は、下記の引用元に帰属します。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111119-00000138-san-soci

もう少し探してみようかな。