冬本番を前に日が短くなった被災地では、暗い夜道の安全確保が課題になっている。震災で妹夫婦を亡くし、高校1年のめいと中学2年のおいを引き取り、仮設住宅に入居する岩手県陸前高田市高田町の四ツ目清さん(55)は、街灯の少ない2人の通学路が心配だ。【市川明代】 おいの土屋喬志(たかし)君(14)の通う中学校から仮設住宅までは、農道と林道を通って約2キロ。日中はダンプなど車の行き来が激しいが、日没後は真っ暗になる場所が何カ所もある。めいの凪帆(なほ)さん(16)も、高校のスクールバスが止まる中学校前から同じ道を通って帰る。 2人の母みきさん(48)と父美彦さん(50)は津波で亡くなった。しばらくは別の親戚のもとに身を寄せていたが、1人暮らしをしていた四ツ目さんと暮らすことを望み7月半ば、市内でも特に高台に位置するこの仮設住宅に入居した。 同じ仮設住宅では、子供たちを車で送り迎えする母親の姿が目立つ。だが、水産加工会社の仕事を失い、5月からプラスチック製品のリサイクル工場に勤める四ツ目さんは、残業が遅くまである。 野球部に入っている喬志君には懐中電灯を持たせたが、「あの道は通りたくない」と訴える凪帆さんは、バス停のそばの知人宅で四ツ目さんの仕事が終わる午後7時過ぎまで待つようになった。 休日、喬志君は野球部の仲間と家を行き来するが、凪帆さんは自宅でテレビやパソコンに向かって過ごすことが多い。四ツ目さんは「せめて帰り道が心細くないように街灯を増やしてもらえれば」と願っており、住民たちからも街灯設置を求める声が出始めた。 ◇ ◇ ◇ 岩手県沿岸の市町村長や企業家らが、被災地をLED電球で照らす「三陸イルミネーション」を企画、電飾機材や協賛金を募っている。陸前高田市では12月23日から来年3月11日にかけて、凪帆さんと喬志君が歩く通学路など6キロにともす。戸羽太市長は「通学路を明るくしたい」と話す。問い合わせは実行委員会事務局(019・622・4305)へ。
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