◇安全面など再開を模索 台風12号による記録的豪雨で、紀伊半島を流れる熊野川が氾濫(はんらん)し、各所に大きなつめ跡を残した。観光施設も例外ではなく、「熊野川舟下り」(新宮市)「瀞峡ウオータージェット船」(同)「北山川観光筏(いかだ)下り」(北山村)は、壊滅状態になった。被災から2カ月を過ぎたが、いずれも運航を休止したままだ。再開を目指し苦悩する3施設の現状を報告する。【神門稔】 ◆熊野川舟下り 新宮市から熊野川沿いに国道168号を走ると、同市熊野川町田長(たなご)に川舟センター事務所がある。事務所は、濁流にのまれ跡形もない。乗船客送迎用のマイクロバスが1台、無残な姿で置かれ、水量のすさまじさを伝える。 センターは市ふれあい公社が運営。被災後は市役所隣に仮事務所を開設した。品田顕二郎・センター長は「事務所にあったパソコンや資料、乗船客が着用するライフジャケットなどを失った」と話す。川舟6隻は避難して無事だった。過去1年間の利用者リストは、発生3週間後に、300メートル下流の川岸で見つかった。 市は、来年4月の再開を模索する。景観も変わったが、川底の形状も変容した。品田センター長は「河原がなくなり、逆にせりだした個所もある。全体を調査中だ」と話す。「熊野の自然に試練を与えられたと思う。再開に向けて頑張る」と続けた。 ◆瀞峡ウオータージェット船 熊野交通(本社・同市)の志古船舶営業所は、事務所とドライブインが被災し、鉄骨を残して全て流失した。「あ然とし言葉を失いました」と、9月7日に初めて現地に入った真貝征志郎営業部長は当時を振り返った。事務所などは7月にリニューアルしたばかりだった。対岸の係留場にあった15隻のウオータージェット船は無事だった。 同社は、今月中に仮設の営業所を建設。まず、ドライブイン事業を再開したい考え。ジェット船については、河床の調査などが終了して運航の安全が確保されるまでは再開の見通しはたっていない。 ◆北山川観光筏下り 熊野川上流の北山川も氾濫した。このため、観光客に人気が高い観光筏下り(5月3日~9月末)に使う筏は12乗り(1乗りは筏7床で構成)のうち8乗りが、筏置き場から流された。村ふるさと観光公社は、スギの原木を購入し、来季の再開に向け筏の新造作業を進める。11月13日朝刊
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